映画『過去のない男』をAmazon Prime Videoで鑑賞しました。
本作はフィンランドの巨匠アキ・カウリスマキによる2002年の作品です。
最新作『枯れ葉』を観てからというもの、アキ・カウリスマキの世界にハマってしまいました。
アキ・カウリスマキはこんな監督だよ↓
社会の底辺に属する労働者や失業者を主人公に据え、踏みにじられる人間性とその回復を描くことが多い。恋愛・犯罪・死・旅・音楽といった古き良き映画の娯楽要素を受け継ぎつつ、大仰な演技や劇的なセリフ回しを排して等身大に演出するのが持ち味。飄々としながらも血の通った人間賛歌を天性のユーモアで成立させている。ロケーション撮影を多用して描かれる、フィンランドの庶民的な風俗・風景も見どころ。
Wikipediaより引用
結構大変な目に合っているのに、ユーモラスな世界で包み込むことによって、笑いに昇華しているんですよね。
また、アキ・カウリスマキ作品の多くは、男女が出会い、発展していくパターンになっています。
『過去のない男』は、敗者三部作と呼ばれる作品です。
実は私が一番初めに観たアキ・カウリスマキ作品。
『浮き雲』の方がメジャーであることは知ってたんですが、タイトルが面白そうだったので『枯れ葉』の前にこちらを観た次第です。
アキ・カウリスマキ監督定番の、ボーイ・ミーツ・ガールの流れなんですが、記憶喪失というのが新鮮です。
それによって、マルック・ペルトラ演じる主人公の男が、どこか小汚いながらも、ミステリアスで魅力的に見えるんですよね。
アキ・カウリスマキ作品の常連女優カティ・オウティネンが出演しており、カンヌ映画祭主演女優賞を受賞しています。
敗者三部作は、「敗者」と聞いてネガティブなイメージを持ってしまうんですが、『過去のない男』も『浮き雲』もハッピーな終わり方をします。（『街のあかり』は違いますが）
記憶喪失で路上生活となってしまう男が、這い上がろうとする様を、明るく描いている何とも楽しい作品なんです。
果たして彼の記憶はもどるのか、そんなあたりに少しハラハラする雰囲気も味わえる作品です。
また、本作はバンド演奏も多めの作品です。
フィンランドのムード歌謡＝イスケルマと、なんとアキ・カウリスマキ監督がファンだと公言するクレイジーケンバンドの「ハワイの夜」が挿入歌として登場するんです。
最後までお読みいただきありがとうございます！
映画『過去のない男』について解説しました。
定番の流れに、記憶喪失という変化をつけた楽しい作品です。
Amazon Prime Videoで観られるよ♬
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