『サンクスギビング』解説記事 そもそも感謝祭って何だ？

映画『サンクスギビング』を鑑賞しました。

ホラー界の鬼才イーライ・ロス監督の作品。

アメリカのマサチューセッツ州プリマスで、一年に一度の「サンクスギビングデー（感謝祭）」に起こった恐怖の事件を描いたスプラッター系ホラーです。

ジョン・カーヴァーという偉人のお面をつけた殺人鬼が、主人公らに襲い掛かってきます。

パターンとしては、ティーンが襲われる『スクリーム』や『13日の金曜日』、『エルム街の悪夢』あたりと似た感じです。

新鮮な点としては、「サンクスギビングデー（感謝祭）」をテーマにしているという点ですね。

こういった、祝日をテーマにしたものをホリデイ・ホラーというんですが、「ハロウィン」も「クリスマス」も使われたものの、「サンクスギビングデー」をなぞらえたものはあまりなかったのではないでしょうか。

サンクスギビングデー（感謝祭）とは

感謝祭は、祝日となるアメリカ合衆国の祝祭日のひとつです。サンクスギビングデーと、翌日のブラックフライデー (アフター・サンクスギビングデー)、その後の休日を合わせた4日の間は学校や会社が休みになります。また、学校や大学は丸々1週間休みになる地域もあります。

現在の感謝祭の起源として一般に信じられているのは、イギリスから現在のマサチューセッツ州のプリマスに宗教的自由を求めて移住して来たピルグリム・ファーザーズと呼ばれる入植者の一団が、本国から持ってきた種子などで農耕を始めたところ、現地の土壌に合わず飢饉による餓死者まで出したところ、アメリカ先住民の助けにより危機を脱したので、その感謝を表す目的で1621年に先住民を招いて収穫を祝う宴会を開いたことです。

　

現代の感謝祭では、宗教的な意味合いはかなり弱くなっており、現代アメリカ人の意識の中では、たくさんの親族や友人が集まる大規模な食事会であり、大切な家族行事のひとつと位置づけられています。特に感謝祭前日と感謝祭休日最後となる日曜日は、交通機関が1年の中でも有数の大混雑・大渋滞となるそうです。一方、感謝祭当日の空港などは対照的に非常に閑散としており、感謝祭が行楽のための休日ではなく家族や親戚が集うためのものであることを物語っています。

ジョン・カーヴァーとは

お面のジョン・カーヴァーは、実在の人物です。

1620年にメイフラワー号で上陸した清教徒ピルグリム・ファーザーズが入植した地で、プリマス植民地の創設者こそが、ジョン・カーヴァーなのです。

実は、そんなジョン・カーヴァーには、不穏な都市伝説があります。

入植してからというもの、彼の周辺で50人もの清教徒仲間が次々と変死を遂げたというのです…。

ジョン・カーヴァーの死後に変死は収まり、彼の死体は放置され朽ち果て、その魂はいまもプリマスの町を彷徨っているのだとか…。

　

プリマスってどんな町？

映画の舞台であるプリマスは感謝祭発祥の地であり、アメリカの故郷とも呼ばれる町。

ハーバードやマサチューセッツ工科大学などの有名大学が有するボストンがそばにある、穏やかな町です。

位置はこんな感じ。

なるほど、確かにイギリスからの入植者が初めに辿り着きやすそうですね。

実は、イギリスにもプリマスという町があるんです。

1620年9月6日、イギリスのからの入植者、ピルグリム一行を乗せたメイフラワー号がイングランドのプリマスからアメリカへ向けて出発し、ケープ・コッド湾を探索。その辺りの地域をニュー・プリマスと名付けたのだとか。

　

映画の感想

穏やかでかつ、アメリカの感謝祭に所縁のある町で、恐怖の殺人鬼が暗躍するとなると、結構面白いですよね。

地元民にとってはたまらないのではないでしょうか。

意外と怖いのが、感謝祭でワッフルマシーンを奪い合う人々のシーンです。

あれがなければこんなことになってないですしね。

スプラッターとしては、まずまずといったところです。

そしてなぜか、ジャンプスケアが怖くないという不思議な映画でした笑

今日の映学

最後までお読みいただきありがとうございます！

映画『サンクスギビング』を楽しむために、感謝祭やジョン・カーヴァー、プリマスという町について解説しました。

　

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