あの頃は、四角い箱が、怖かった。
映画「回路」を鑑賞しました。
黒沢清監督のホラー作品です。
ネット系ホラーの先駆け的な存在で、インターネットで起こる怪異が、世の中へ広がっていく様子を描いています。
ドライな雰囲気と、ジャパニーズホラーのジットリ感を合わせ持つ、不思議な作品。
その独特さから、公開から20年以上が経った今でも、結構人気が高いです。
なんと、人気コミック「チェンソーマン」でオマージュされているほど。
また、他にも人気漫画との関連が。
なんの漫画だろう?!気になる!!!
今回の記事では映画「回路」の解説と、「チェンソーマン」でオマージュされたシーンなどをお伝えしていきます!
STORY
インターネットから新たな恐怖が生まれる…。カンヌ国際批評家連盟賞受賞。同僚の自殺を皮切りにOLミチの周りで奇妙な事件が続発。「助けて」と着信のあった矢部が姿を消し、社長が友人が両親が…一人、また一人と消えていく。同じ頃、大学生の亮介のPCが突如、あるサイトにアクセスを開始。「幽霊に会いたいですか」の文字。強制終了しても繋がってしまう。彼は春江に相談を持ちかけるが、それは世界中をも巻き込んでいき…
Amazon Prime Videoより引用
それではここから、解説の方に参りましょう!
インターネット黎明期
今作は、インターネット黎明期を描いています。
日本においては、2000年でも、インターネットの普及率は11%程度でした。
私の家にデスクトップがやってきたのも、それ以降だったような気がしますね。
映画のシーンの中で、加藤晴彦さんが、”右クリック”も”お気に入り”も分からないのが面白いんですけど、当時は本当にあんな感じでしたよ。
一旦普及しだすと、怖いフラッシュのサイトとか流行りましたね。
そのあたりを彷彿とさせるので、30代以上の人は、懐かしさもまた味わえます。
幽霊と未知とを結びつける
今作は、人々がまだインターネットやコンピューターに明るくない時代を舞台にしています。
人々にとって未知の存在であるインターネットと、幽霊を結びつけるこのアイデアが非常に面白い!
インターネットの爆発的な普及を予期し、不安視するような風潮が、当時はかなりありました。
そのあたりの、未知の恐怖、依存の危険などをメタファーとして伝えているあたりが上手いなぁと感じます。
今の人の方が理解しやすい
インターネット黎明期の作品で、所有している人はおろか、触ったことのない人も多いはず。
その為、当時はインターネットに関する知識の乏しい人が多く、難解に感じられたのでしょう。
それもまた、今作が持つ不気味さ、不思議さに拍車をかけ、人々を魅了したのでしょう。
物語の肝である、”インターネットは、世界中と繋がっており、それを移動手段として、幽霊たちは住処を広げる”というシステム。
インターネットが身近なものとなった今の方が、物語を理解するハードルは随分下がっているはずです。
小雪さんが言っていること、ほとんどわかりますもんね。
人気コミックとの関連
ここからは2つの人気コミックとの関連をお伝えします!
どちらもジャンプ漫画です。
チェンソーマン
今作のあるシーンが、人気コミック「チェンソーマン」にて、オマージュされています。
それのシーンは、86分頃登場します。
怪異の影響で、行方不明となった人々の姓名を、ニュースで次々に読み上げるシーンです。
このシーンの淡白さは非常に恐ろしい。
そして、「チェンソーマン」の終盤に登場する、銃の悪魔の襲来シーンにそっくり!
銃の悪魔が、数秒滞在しただけで、数多くの人々が命を奪われます。
それを、漫画では、姓名をずらーーーっと並べて表記しているんですね。
これもまた恐ろしい。
藤本タツキ先生は大の映画好きですので、きっと関係あるはずです。
アニメのOPもすごいんですから。
ヒカルの碁
囲碁の漫画「ヒカルの碁」では、オマージュしたシーンではありませんが、インターネット黎明期らしさとホラーな部分を描いています。
2000年前後の作品ですので、「回路」と同時期ですね。
今作は、主人公のヒカルに、大昔の囲碁の名人「藤原佐為」というお化けが取りつくお話です。
佐為は他の人には視えないし聞こえないので、ヒカルは佐為の指示に従いさいすれば、たちまち名人級の碁が打てちゃうのです。
しかし、先日までド素人だった少年が上級者に勝つのはどう考えたっておかしい。
そのため、ヒカルは身バレを防ぐために、”ネット碁”で対局します。
これがまた、マックのデスクトップiMacなんかを使用しているので、非常に懐かしいのです。
しかもインターネットカフェで。
「回路」の加藤晴彦さんよろしく、右クリックもわからない感じで。
そして、”ネット碁”でも無双しちゃう佐為とヒカル。
世界中の対局者した結果、ある疑問をもたれます。
このうち方はあまりに昔っぽくて、現代風じゃない。
だから、こいつは藤原佐為の幽霊なんじゃないか?
みたいな騒動になるわけです。
ほんのりホラーな感じがいいですよね。
「ヒカルの碁」自体は、全然怖い漫画じゃないです。
碁が分からなくても楽しめる名作です。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます
「回路」の見どころと、人気コミックとの関連をお伝えしました。
あと、麻生久美子さんと小雪さんがとんでもなく可愛かったです。
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