画期的で伝説的な作品でありながら、
大きな謎はそのままである…
ヒッチ・コックの名作映画「鳥」
いわゆるモンスターパニック映画の元祖とも呼ばれる作品。
身近でおとなしい存在であった、「鳥」たちが、人間に襲い掛かってくるお話です。
この映画の後、サメ、ワニ、ヘビ、ゾンビ、ビーバー、カブトガニ、ジーンズ、トイレ、トマトなど、様々な物がモンスターと化して人間を襲う映画が作られました。
しかし、そのクオリティはあまりに高く、今なお超える作品は少ない。
金字塔と呼ぶにふさわしい映画なのであります。
モンスターパニック映画おいて、モンスターたちには、何かしらの動機がある場合がほとんどですが、今作では、なぜ「鳥」たちが襲ってくるのか名言されていません。
今回の記事では、最大の謎である「鳥」たちが人間を襲う理由を考察していきたいと思います♬
STORY
ボデガ湾の港町を訪れた気ままな社長令嬢のメラニー(ティッピ・ヘドレン)。ペットショップで知り合った若い弁護士ミッチ(ロッド・テイラー)の屋敷に、内緒で小鳥を届けた彼女は、ふいに空から舞い降りた一羽のカモメに額をつつかれる。それが全ての始まりだった。ミッチの家に数百羽のスズメが押し寄せ、小学校の子供たちがカラスの大群に襲われる。次々に起こる異変、刻一刻と増え続ける鳥たち。不気味な威嚇の鳴き声が町中に響くなか。終末の夜が明けていく・・・。 「レベッカ」の女流作家ダフネ・デュモーリアの原作を基に、ヒッチコックが撮り上げたパニック・サスペンス。
ユニバーサル公式販売ページより引用
ちなみに原作小説でも、鳥が人間を襲う理由は明らかになっていません。
鳥が人間を襲う理由
それではここから、鳥たちが人間を襲う理由を考察していきましょう!
キー①ラブバード
今作で何度も登場する「ラブバード」。
つがいのインコですね。
ラブバードは、少女へのプレゼントとして購入され、終始小さな籠の中で飼われています。
映画では、そんなラブバードの飼い主を狙って、鳥たちが襲ってくるように見えなくもありません。
可哀想な籠の鳥を救うべく野生の鳥たちが襲い掛かるというのが一つ目の説です。
キー②母親
これは、理由というよりは、メッセージを伝えるためのメタファーのようなものになります。
ミッチの母親は、息子を溺愛しており、できれば家から出ていってほしくない、恋人と共に去らないでほしいという気持ちを表しています。
ミッチは終盤、鳥たちに襲われることで、家に閉じ込められることに。
母親が息子を家に留めたい、閉じ込めておきたい。そんな気持ちを表すメタファー。
「ラブバード」同様、息子を籠の鳥にしたい、狂気として、鳥たちの襲撃を表現しているのではないでしょうか。
ヒッチ・コックの代表作「サイコ」の次作が「鳥」ということもあるので、異常な母子関係を表している可能性もありそうですよね。
キー③メラニー
3つ目の説は、主人公メラニーに関するものです。
主人公メラニーは、別の町からやってきたよそ者です。
鳥たちは、メラニーをメインターゲットととして、襲い掛かっているように見えなくもありません。
また、劇中でも、「あなたが来てからおかしくなったわ…!」と言われるシーンがございます。
加えて、初めて鳥からの襲撃に合うのもメラニーでした。(船上にて)
ペットショップで九官鳥やラブバードを軽々しく購入するメラニーに対する鳥たちの報復、
または、よそ者を排斥しようという村文化のメタファーを表しているのかもしれません。
キー④ヒッチコックの狙い
最後は、ずばり、理由なんてない。
という説です。
こんな風に、考察を楽しむ私たちは、巨匠ヒッチ・コックの策略に、まんまとハマってしまったのかもしれません…。
結論
私は、結論として、キー④の特に理由はないという説が最も有力なのではないかと思います。
なぜなら、恐怖というのは、噂や想像、妄想が膨らめば膨らむほど、大きくなるものだからです。
ある種、神格化されると言ってもいいでしょう。
日本における都市伝説がいい例ですね。
出処も、理由もよくわからないのに怖い。
「鳥」もそういった狙いがあったのでしょう。
たくさんの人々が考察し、語ることで、恐怖映画として広く知られ、伝説的な存在となることを狙ったのです。
だって、ヒッチコックですもの。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
映画「鳥」に関する考察をお届けしました。
素晴らしい映画。恐ろしい映画です。
ぜひあなたの考察もお聞かせください♬
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