最近、もの凄くホラーや歴史、人類学に詳しい台湾人に出会いました。
その人と曰く、
「台湾では、80年代や90年代に呪いをテーマにした映画がほとんどない」
とのことでした。

日本ではどうかな?と思い、今回調べてまとめてみようと思います。

どうなんだろ?あるのかな?
呪いをテーマにした映画は2000年以降?
冒頭でお伝えした通り、台湾では呪いをテーマにした映画の多くは2000年以降で、80年代、90年代はほとんど作られなかったそうです。
では、日本ではどうなのか。今でこそ、その土地や場所が忌み地であるというパターンや、誰かが誰かを呪うようなプロットは定番となっています。
これ、恐らく1998年以降からだと思うんですよ。
1998年に日本で公開された映画といえば『リング』ですね。
それに続くように、『呪怨』のビデオ版が2000年、『ほんとにあった! 呪いのビデオシリーズ』や『死国』が1999年という感じで世に放たれました。
90年代は『女優霊』、『CURE』、『カリスマ』など、中田秀夫と黒沢清が一時代を築いたと言っても過言ではありません。
で、80年代はというと、海外では『シャイニング』や『エイリアン2』、『ザ・フライ』など、海外では伝説的な作品が数多く生み出され、ホラー映画がどんどん多様になっていきました。
一方で日本のホラーはほとんどないような気がします。あったとしても『震える舌』のような戦後の成長期の日本における社会問題を交えたような、怪異的なものではなく現実的な恐怖を描いたものが多い印象です。
それ以前にしても、早い段階からホラー映画として描かれていたのは『ゴジラ』が1954年。『ゴジラ』もまた、環境問題や社会問題が根底にある作品なので、ああ見えて割と『震える舌』と同じ棚に入ってるのかもしれません。
それ以外で言うと『東海道四谷怪談』(1959年)とか『怪談』(1964年)、『鬼婆』(1964年)のように、古来から伝わる怪談寄りになっています。
もちろん怪談も呪いをテーマにしたものはあります。お岩さんだって呪いの化身だし、落語にも「もう半分」というむちゃくちゃ古い噺があります。
そもそも、『リング』だって、原作の初版は1991年です。小説の中には呪いにまつわる話が古くから多く存在するはず。
ではどうして映画にならなかったのか。
やっぱり地味だからでしょうね。
70年代にすでに海外では『サスペリア』や『ゾンビ』のような視覚的にも派手でかつストーリーも濃厚な作品が公開され、かつ80年代に『シャイニング』や『悪魔のいけにえ』のようなカルト的な人気と味わいがある作品が生まれてしまった。
もちろん日本の映画好きもそういった映画に慣れているわけで、「いまさら怪談のような古い映画を作ってもな…」みたいな潮流はきっとあったんでしょう。
なので70,80年代はホラー映画はある程度海外勢に任せ、直球勝負ではなく社会派なテイストのある映画を作ったのかなと。
そこにきて、『リング』の登場です。当時一家に一台あるのが当たり前だったテレビとビデオ。そしてテレビの中から出てくる貞子のインパクトのある画。これならいける!って感じだったのかもしれませんね。
あと、当時は超能力ブームもあったんですよ。
貞子も超能力持ちですよね。その辺の親和性が強かったんじゃないかと思います。
もう一つ、不幸の手紙のような都市伝説的も誰もが知ってるほど流行っていたので、ビデオを観たら呪われるという理不尽さもそのまま受け入れやすかったのではないでしょうか。
古くから受け継がれてきた「呪い」を、貞子が昇華させ、その後定番のプロットとなるまで影響を与えたと私は思います。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます。

呪いにまつわる映画は日本でも2000年以降=『リング』以降に爆発的に広がっていったと言えるのではないでしょうか。

やっぱり貞子は偉大だぜ…!
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