色褪せない名作『タイタニック』。
昔は金曜ロードショーなんかでよくやってましたし、度々リバイバル上映もされる作品です。
でも、意外と若い人は映画好きでも観てない人も多いんじゃないでしょうか。
「恋愛映画苦手だからな~」という私のような人もいるかも。
しかし、本作は普通の恋愛映画ではありません。究極のボーイ・ミーツ・ガール、大衆向け映画だと思ってほしいです。

今回の記事は、今なお多くの人々を魅了して止まない『タイタニック』を3つのフェーズで味わうための解説です。

読んだあと、きっと、もっと『タイタニック』が好きになるよ!
フェーズ1 ストーリーや音楽を味わう
『タイタニック』を観て、多くの人が感動するポイントは、やはり感動的で迫力のあるストーリーと音楽でしょう。
パニック映画として
『タイタニック』は、大きく前半後半に別れています。
前半90分、氷山衝突までは恋愛ドラマとして、後半はパニック映画としての側面を持ちます。
私は数年ぶりに本作を観て、後半のパニック映画としての質の高さに圧倒されました。
物凄くきめ細かくて、怖いです。落ちる人々、痛々しい描写。よく観れば観るほど怖い。
その臨場感やスリルを味合うだけでも、この映画には価値があるのではないかと思います。
なぜここまで恐怖を感じさせられるかという演出の凄さについては、フェーズ2、3で解説します。
恋愛ドラマとして
レオナルド・ディカプリオと、ケイト・ウィンスレットの純愛をはじめとしたドラマチックなストーリーの数々や、セリーヌ・ディオンの『My Heart Will Go On』はとっても素敵。
特に、クライマックスは、結末が分かっていても泣けてしまいます。
しかし、この2人に関しては、実際の事件時に存在した人物ではなく、フィクションです。
ではなぜ、このような恋愛要素を入れようと思ったのか。このあたりを探ることがフェーズ2、フェーズ3の味わい方です。
フェーズ2 実際の出来事と比較して味わう
『タイタニック』は1912年に当時最大級の豪華客船タイタニック号が、氷山との衝突により沈没した実際の出来事を基に作られました。
アメリカへ渡る人々
『タイタニック』では、イギリスのサウサンプトンから、ニューヨークへ向かって出航しています。
これも史実通りです。
タイタニック号には、イギリス人やアメリカ人、アイルランド人にイタリア人など、様々な人種が乗船していました。
1870年代から、1918年の第一次世界大戦まで、約40年間で、約2000万人もの人々がアメリカへ移住したんだそうで、
その玄関口となったのが、自由の女神のあるエリス島なんですね。そこを目指していたと。
西欧・北欧からの移民は比較的裕福な人々が多く、アメリカへ向かうタイミングが早かったことから、旧移民と呼ばれています。
イギリス・フランス・ベルギーなどの人です。
一方、南欧・東欧の移民は貧困層が多く、アメリカへ向かう時期が旧移民より遅れたことから新移民と呼ばれます。
イタリア・スペイン・ポーランド。ロシアなど。
ジャックの友人であるファブリツィオもイタリア人でしたね。
そういった、旧移民の人たちは、タイタニック号で一級に乗ることはできなかったという訳です。
そういった階級社会の様子を恋愛要素をいれることでさらにくっきりとみせたわけですね。
このあたりの背景は、様々な映画で描かれることが多いので、覚えておくと便利です。
タイタニック号
タイタニック号は、イギリスのホワイト・スター・ライン社が北大西洋航路用に計画し、造船家のアレクサンダー・カーライルとトーマス・アンドリューズによって設計された豪華客船。
北アイルランドのベルファストにある造船所で建造されたそうです。
序盤で、アイルランド系の若者が「この船はアイルランド人が作ったんだ!」というセリフがありますが、この辺りに起因しています。
その他、映画で描かれていた現在のサルベージについてや、オカルトな話題についても様々エピソードがございます。
Wikipediaで「タイタニック号」を調べるとかなり詳しくまとまっていて面白いですよ。
実在した登場人物たち
映画の中に登場する、エドワード・ジョン・スミス船長やホワイト・スター・ライン社の社長ブルース・イズメイなどは実在した人物なのです。
キャシー・ベイツ演じる、マーガレット・ブラウンも実在した人物。
私は脇役の中では一番好きでした。野心的かつ、ジャックに対する親切さ、余裕と風格漂う様子がとても魅力的。
『ミザリー』の時とは、偉く違う、いい人役です笑
また、沈没船から楽器が見つかったことから、音楽家の存在も明らかになりました。
しかも、何と、バイオリンの持ち主が、ウォレス・ハートリーなる人物であることが、2013年に明らかなり、その人物とは、映画の中で、観客を勇気付けるために演奏を続けたあの音楽家たちのリーダーなんですよ!
彼のこのバイオリンは、1910年に婚約者からプレゼントされたものだそうで、より一層感動を引き立てます…。
ちなみに、生存者の、酒ばっかり飲んでたパン焼き職人も実在。
チャールズ・ジョン・ジョーキンという人物で、酒を飲んで内臓が温まっていたために生き残ったという噂です。
さあ、肝心のジャックとローズはというと…。(フェーズ3に続く)
フェーズ3 監督や背景について知る
フェーズ1でお伝えした通り、ジャックとローズは架空の人物です。ローズに関してはモデルとなった人物がいるにはいますが、映画のようなロマンスは特にありません。
キャメロン監督のねらい
ジェームズ・キャメロン監督は、災害における感情的なインパクトを鑑賞者に伝えるためには、人間の喪失感を織り交ぜたラブロマンスが必要だと考えたのだとか。
また、タイタニック号について調べている内に、乗客の中にも階級の差があったという事実を知り、格差恋愛をテーマに描いたそうです。
キャメロン監督はここが凄い
また、ジェームズ・キャメロン監督といえば、『アバター』や『ターミネーター』など、CGを多用する印象がありますよね。どちらも映画史に残るレベルのCGによる映像でした。
しかし、『タイタニック』は特撮の割合がかなり高いんです。
300mの巨大プールをセットで使ったり、役者に左右反転で演じさせたりしています。
映画の終盤で人々が海へ落ちたり飛び込んだりするシーンでは、トイレットペーパーや紙を落として、そこにCGを加えて人間が落ちる様を演出したんだそうです。
あと、エンドロールではかなり多くのスタントの名前が流れます。
ちなみに、劇中でジャックが描いたスケッチは、全てジェームズ・キャメロン監督が描いたものだそうです。
特撮用のミニチュアも自分で作っちゃうことが多いのだそうですよ。
という感じで、CGだけじゃなく特撮ならでは、手作りの味わいがあるからこそ、この映画は一味違う印象を受けるんだと思います。
『タイタニック』は思わぬヒットだった?
本当は『タイタニック』製作前から、『アバター』の構想はできていたキャメロン。しかし、当時のCG技術では、まだ実現できないことが多すぎるということで、先に『タイタニック』に着手したそうです。
『タイタニック』は、日本での興行収入がいまだかなり高い位置にあります。262億円という驚異的な数字をたたき出しましたから。
しかし、『タイタニック』公開前は興行成績が低くなると予想されていたことをご存じでしょうか?
制作費300億円に関わらず、結末については誰もが知っているような有名な事件がモチーフ。加えて、船の映画は当たらないというジンクスが当時の映画業界にはあったそうな。
しかし、開いてみたら、日本でも世界でも大ヒット。
日本に関して言えば、1年近く公開され続けるという超ロングランになりました。実際に観れば納得でしょう。キャメロンの本気がわかります。
私なりの感想と考察

ここからは、私の感想を。
大衆向け映画の最高峰
『タイタニック』は、大衆向け映画の最高峰の作品だと思います。
ストーリーが難しくない。一度の鑑賞で、ほとんどの人が理解できるストーリーです。
キャメロン監督のねらい通りでしょう。自分でフェーズ3までまとめておいてなんですが、フェーズ1で十分楽しめる作品です。
ウットリ、ハラハラ、涙も流せる。映画らしい魅力がたっぷり詰まった作品です。
究極のボーイミーツガール
もう一つ、『タイタニック』が人を魅了する理由の一つが、究極のボーイ・ミーツ・ガール作品であるということ。
ボーイミーツガール作品とは、男女の出会いから始まり、愛を育んでいくストーリーの映画です。
『タイタニック』は、やはり、ディカプリオの魅力が強い。美しく、頼もしく、ちょっと悪そう。
女性が好きになりそうな要素てんこ盛りな人物像なのです。
私は、爆発的な流行は女性が作るものだと思ってます。
タピオカ、Tik Tok、たまごっち。世の中の流行のほとんどは、女性から注目を集めることで大ヒットしています。
『タイタニック』もまた然り。
当時も今も、女性を魅了するからこそ、もの凄いヒットに繋がっているのでしょう。
もちろん、男性が観ても、感動できますよ。
でも、やっぱり、『タイタニック』に関しては、絶対に女性の方が感動の度合いが大きいと私は思います。
それに、ここまで多くの女性にリーチできる映画って、後にも先にもないと思うんですよ。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます。
映画『タイタニック』を味わうための3つのフェーズをお伝えしました。

どのフェーズでも楽しめるけど、3まで上げるとめちゃくちゃ面白いよ。

キャメロンの情熱、キャストの魅力、細部に宿るこだわりをぜひ味わってみてください。
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