映画「なまず」を考察【信じぬものには何が起きる…?】

映画

「なまず」をセンチュリーシネマで鑑賞しました。

不思議な恋愛ドラマです。

管理人
管理人

SFの要素も強い今作。よくわからなかった人、より詳しく味わいたい人に向けて、解説します。

ある日、看護師のユニョン(イ・ジュヨン)は自分と恋人ソンウォン(ク・ギョファン)の恥ずかしい姿を隠し撮りされたレントゲン 写真が流出したと誤解。イ副院長(ムン・ソリ)は写真の主をユニョンと決めつけ、自宅待機を命じる。その頃、都心に巨大な穴(シンクホー ル)が出現する怪現象が発生。無職のソンウォンは埋め戻し工事の職にありつけたが、仕事中に大切な指輪を無くしてしまう。ソンウォンは 同僚を疑い、ユニョンは見え透いた嘘をつくソンウォンを疑う。病院に置いてある水槽では、なまず(声:チョン・ウヒ)がそんなゴタゴタを 見つめていた……。

https://filmarks.com/movies/81113

なまず

まずはじめに、タイトルにもなっている「なまず」について解説を。

今作では、なまずのナレーションで、物語が進行します。

要所要所で、なまずが、登場人物の心情や行動を解説するという何とも変わった作りです。

「吾輩は猫である」のような雰囲気です。

なぜ「なまず」であるのかというと、イ・オクソプ監督自身が、この映画を作る際、真っ先に浮かんだのが「水槽のなまずを眺める看護師」だったからだそうです。そこからどんどんとストーリーを膨らませていったのだとか。

また、「なまず」を主軸に添えた理由を以下のように語っています。

なまずであるべき理由は3つあります。昼間は水の上に出てこない。汚染に強いので生命力にあふてれている。そして地震を感知する敏感な生き物とされていることです。鈍そうに見えて敏感ななまずなら、悩めるユニョンを癒し、もしかすると地球も救ってくれるかもしれないと想像がふくらんでいきました。

https://namazu-movie.com/より引用

今作を観て驚いたのが、韓国においても、なまずは地震を予知する特殊能力があるとされていることです。

日本だけの迷信めいたものだと思っていました。

地殻変動による地盤沈下が常態化している映画の世界観は、「なまず」ありきだったいう訳です。

恐るべし「なまず」。

恐るべし「イ・オクソプ監督」のイマジネーション。

人を信じるというテーマ

今作の主たるテーマは「人を信じる」です。

情報や錯綜があふれ、疑心暗鬼になりがちな世の中において、「人を信じる」ということの尊さを、3人の人物の目線で描いています。

彼氏(ソンウォン)

彼氏役のソンウォンは、工事の仕事に就きます。

仕事の終わり、指輪がないことに気づきます。

彼はあることをきっかけに、同僚の窃盗を疑うようになるのですが…。

このソンウォン目線の「人を信じる」かどうかは、3人の中で最も身近に感じることができます。

彼のように、身近な人物を疑った経験は、誰しもあるのではないでしょうか。

副院長

ヒロインのユニョンの上司である、副院長は、幼少の頃の出来事から、「人を信じる」ことができません。

しかし、ユニョンに言われ、人を疑うよりも、信じることを選択し始めます。

物語序盤の、この2人の掛け合いはとても面白いので、必見です。

彼女(ユニョン)

そして最後がヒロインのユニョン。

副院長に対し「人を信じなければいけない」と説くものの、彼女は物語中盤から、彼氏のソンウォンを疑うようになります。

人に言うのは簡単でも、自分の身になるとなかなか難しい。

近すぎる人だからこそ、正面から話し合うのも憚られる。

次第に猜疑心はどんどんと膨らんでいく…。

これもまた、ギクリとしてしまう設定でした。

ソンウォンが、まだ暗い早朝に、工事現場へ行くために部屋を出るシーンでは、時計にご注目ください。

シンクホールとは?

映画の中で登場する「シンクホール」はあながちフィクションではありません。

「シンクホール」は地盤沈下より発生する穴で、とっても危険です。

韓国ではなんと、2017~2021年の5年間に1176件発生したのだとか。

シンクホールの具体的原因としては、土地が十分に固まっていない・地下水の流れが変わった・上下水管の損傷で漏水が発生した、というケースが多いです。

参考:https://news.yahoo.co.jp/articles/702037a2fa288751ccc0708f9d89a2e3f3261ddf

日本も危険?

日本でも2016年に福岡市で道路の陥没がありました。

映画で起こる災害は、そこそこあり得る話なのです…。

韓国豆知識

ここからは、映画で気になった、韓国に関する豆知識を3つ紹介します!

クリーニング屋はメジャー?

今作の序盤に個人経営のクリーニング屋が登場します。

最近公開された是枝監督の「ベイビー・ブローカー」でも、主人公は個人クリーニング屋を営んでいるという設定でした。

韓国におけるクリーニング屋がどういった立ち位置なのか気になったので調べてみました。

日本ではクリーニング屋といえばチェーン店がほとんどです。

韓国でも2009年から、「クリーントピア」というチェーン店が急速に増えているものの、まだまだ個人経営が主流だそう。

また、人口も少ない上に、日本ほど潔癖でない韓国では、売り上げも今一つなようですね。

まとめると、韓国において個人クリーニング屋はまだ割と残っているものの、チェーン店の勢いに飲まれつつある。そんな立ち位置なようですね。

退職届

退職届を書くシーンも、とても印象的でした。

漢字とハングルのどちらで書くべきか恋人に相談したり、とても目立つオレンジの封筒に入れたりと、カルチャーショックを受けます。

現在韓国では、漢字を使われることが少なくなりましたが、重々しさや、荘厳な雰囲気を出すために、退職届には漢字を用いるといったケースもあるようです。

映画でもそんな会話をしていました。

あと、退職届を書いてから、二人で踊りだすのがとても可愛いです。

韓国若者就職率

彼氏のソンウォンは、初めはニートでした。

その他にも、シンクホールでようやく仕事にありつけた若者が作中たくさん登場します。

韓国の若者はそんなに就職難なのでしょうか。

韓国では、大手志向が強いです。トップ企業が売り上げの90%を担っているので、給料に雲泥の差が生まれます。

トップ企業に入るために、4年制の大学ながら、就職準備期間として数年間勉強をするケースが多いそうです。

また、男性の場合、兵役もあります。

韓国では男性は30歳、女性は27歳の新入社員も珍しくありません。

そして、その準備期間中の若者は「就職放棄者」とみなされるため、韓国の就職者率は大変低いものとなるわけです。

日本と違い、卒業後すぐに就職という雰囲気は少なく、「ケンチャナヨ」精神のおおらかさがあります。

参考:https://bwell.jp/korec/magazine/archives/1291

今日の映学

最後までお読みいただきありがとうございます!

管理人
管理人

映画「なまず」を解説しました。
恋愛映画ながら、独特な雰囲気で、おじさんの私も楽しむことができました!
韓国のカルチャーや、若者がぶつかる壁、適度なSF感も味わうことができますよ。

 

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