すごいんだよ。人を好きになる時の引力って。重力なんて目じゃないよ。
映画『不死身ラヴァーズ』を鑑賞しました。
本作は『ちょっと思い出しただけ』の松居大悟監督の最新作です。
ラブロマンスが苦手な私ですが、『ちょっと思い出しただけ』はすごく好きな作品ですので、本作もかなり楽しみにしていました。
松居大悟監督が、10年間温めていた作品だそうで、氏にとっても私にとっても待望の作品というわけでございます。
割と謎の多い本作について、少しだけ考察をしたり、ラブロマンスが苦手なものにとって本作の感想はどのようなものだったのかなど解説していきたいと思います！
ネタバレ注意だよ！
漫画原作から紐解く
まずはじめに、本作のあらすじを。
長谷部りのは、幼い頃に”運命の相手”甲野じゅんに出逢い、忘れられないでいた。 中学生になったりのは、遂にじゅんと再会する。
後輩で陸上選手の彼に「好き」と想いをぶつけ続け、やっと両思いになった。でも、その瞬間、彼は消えてしまった。
まるでこの世の中に存在しなかったように、誰もじゅんのことを覚えていないという。 だけど、高校の軽音楽部の先輩として、車椅子に乗った男性として、バイト先の店主として、 甲野じゅんは別人になって何度も彼女の前に現れた。その度に、りのは恋に落ち、全力で想いを伝えていく。 どこまでもまっすぐなりのの「好き」が起こす奇跡の結末とは――。
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予告編でも分かっていたざっくりとしたストーリーですが、
ヒロインの長谷部りのは、甲野じゅんが大好き。
しかし、甲野じゅんが長谷部りの好きになってしまうと、甲野じゅんは目の前から消えてしまうんですね。
つまり、両想いになった瞬間、大好きな人が目の前から消えてしまうと。
しかも周りの人も「誰それ？」って感じで。そっくりそのまま存在がなかったかのようになってしまうんです。
目の前から消えてしまう度に、長谷部りのは甲野じゅんを追いかけ、また好きになられて…、
といったドラマを繰り返すんですね。
で、これ、原作だと逆なんですよ。
原作は高木ユーナさんが別冊マガジンで連載していたものになります。
甲野じゅんが長谷部りのを追いかけて、そして好きになられると消えてしまうと。
あと細かい設定では、始まりは病院ではありませんし、陸上部ではなく書道部という設定でした。
（人力車は出てきます笑）
このあたりが、映画にも若干かかっているのかなと思いました。
映画では終盤で、甲野じゅんの目の前から、長谷部りのが消えてしまうシーンがありましたよね。
あのシーンは、原作と重ねつつ、二人の間で同じような現象が起こっていたのかも。というミステリアスさと、物語に深みを増すとてもいい演出だったように思います。
どう捉えるかは、観た人次第なのかなと。
甲野じゅん側でも同じ現象が起こっていたのかもしれないし、単純に長谷部りのがあの場から走り出していっただけかもしれないし、田中の説明通りなのかもしれない。
あなたはどう捉えましたか？
ちなみに、漫画は1巻ならシーモアで無料で読めますのでぜひ！
主演二人がいい！
映画『不死身ラヴァーズ』は主演のお二人がとにかくよかったですね～。
中学生から大学生まで演じてもなんら違和感はなかったし、
爽やかさがとにかくいい。
あの二人だからこそ、「恋をするのって素敵だな」と思うことができました。
ヒロインの三上愛さんのクルクルと変わる表情がとにかく素敵。
ギターを弾けるのはオーディション後に分かったことだそうで、しかも高校時代にGO!GO!7188の『C７』を演奏していたんだそうです！
あの弾き語りのシーンはいいですよ～。
もしかしたら1発撮りなんじゃないかなと思っています。
佐藤寛太さんもいいんです。
中盤以降は、どちらかというと甲野じゅんサイドのストーリーも強くなっていくので、彼の病気の残酷さが露になっていきます。
この切ない設定、見事に演じていたなぁ。特にお母さんとの朝のやりとり。めちゃくちゃいいです。
涙が似合う俳優ですね。
あと、青木柚さんが演じている田中。
超いいやつです。
でも、ここが若干、原作と違って、ヒロインと異性になっているのが気にはなりましたね…。
ちょっといいやつ過ぎて、不憫に思えるほどでした。りののこと、好きなんじゃないの？って。
何かお寺の雰囲気も『耳をすませば』っぽいし…笑
まあ、今の時代ならああいう男女の友情もあるのかもしれませんが。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます！
映画『不死身ラヴァーズ』の考察や感想をお伝えしました。
人を好きになることを全肯定する、無防備なラブストーリーでした！
『ちょっと思い出しただけ』『くれなずめ』に共通するところもたくさんあって面白かったです。
間違いなく、恋したくなる映画だね！
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