「2001年宇宙の旅」をご覧になったことはございますでしょうか。
SF映画の金字塔的存在でありながら、その難解なストーリーから、大きく賛否の分かれる作品。
私はキューブリックの映画が大好きなので、もちろん「賛」です。
難解に思われがちですが、観る角度を変えると、意外とシンプルな作品だったりします。
今回は、「2001年宇宙の旅」のここに注目すれば、映画がわかりやすくなりより楽しく鑑賞できるポイントを解説します!
圧倒的な映像センス
キューブリックといえば、シンメトリーなシーンが有名です。
「シャイニング」や「フルメタルジャケット」、「時計仕掛けのオレンジ」でも、美しいシンメトリーは観られます。
しかし「2001年宇宙の旅」では最も多く観られます。
というのも、宇宙船内のシーンや、宇宙のメカなど、機械的な物や、宇宙空間のような風景的なシーンが多いので、隙あらばシンメトリーです。
CGなしのSFX
「2001年宇宙の旅」を制作した1964年頃は、まだ現在のようなCG技術はありませんでした。
そのため、作画したものを透かしで投射したり、とても精巧な模型を作ったりして撮影しました。
はっきり言って、CGなしというのは信じられないクオリティです。
たとえストーリーがよくわからなくとも、この見事な特撮だけでも見ごたえは十分です。
回転するセットまで
特撮の真骨頂、船内をランニングするシーンは本当に見事です。
このシーンは何と、巨大なセットが回転しているのです。
映画のワンシーンのために、遊園地さながらのセットを設けるとは、流石はキューブリックです。
冒頭がたまらん
私は一番好きな映画のオープニングを尋ねられたら、「2001年宇宙の旅」だと答えます。
それくらい、あのオープニングは見事です。
3:15までは真っ暗のなか不気味な音楽がだけが流れ、
3:16にMGMのロゴ
再び暗転。
そして徐々に現れる、壮大な宇宙!
BGMは「ツァラトゥストラはかく語りき」!
本当にたまりません。
「すごいものが始まりそうだ…!」と何度観てもワクワクします。
まだ人類は月にいってなかったのに
映画制作の1964年、人類はまだ月面着陸を果たしていませんでした。
それにもかかわらず、あんなにリアリティのある世界観で、宇宙や月面の様子を描いているのは、信じられます。
完璧主義者のキューブリックのことですから、きっと資料集めにかなり時間を費やしたのでしょう。
そのあたりの情熱をぜひ加味してご覧いただきたいです。
人類対AIのデスゲーム
「2001年宇宙の旅」の物語の大半を占めるのが、木星使節のパートです。
木星を目指す宇宙船内の人口知能HAL9000型コンピューターが、人間へ反乱を起こすという内容です。
最終的に、船長のボーマンとHAL9000の一騎打ちとなり、ボーマンが勝利します。
姿形のないコンピューター相手に、人類が勝利することで、次のフェーズへ進むことができる。というお話なのです。(事項へ続く)
人類が進化する話
その後、木星へ到達したボーマンは、モノリスと遭遇します。
このモノリスというのは、宇宙人が作ったアラートのようなものなのです。
人類が月へ到達したことや、木星へ到達したことを、宇宙人に知らせるシグナルを出す装置です。
人工物である証明として、縦横比が1:4:9であるという設計になっています。
そしてモノリスに触れ、巨大な赤んぼうとなったボーマン。
AIに勝利し、モノリスや宇宙人とコンタクトしたことで、ヒトの枠、人智の枠を超え、創造主(神)のような存在となった。めでたしめでたし。
これが宗教的なものや、科学・医療的なものを皮肉ったものなかは、キューブリックのみぞしるところです。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
「2001年宇宙の旅」の見どころと、ストーリーを紐解く解説をしました。
あくまで私がいろいろな意見を咀嚼して考えた解釈です。いろいろな考え方があると思いますので、自分なりの推理を楽しんでみてください♬仮に、ストーリーがつまらなく感じても、特撮及びそこにかけるキューブリックや制作陣の情熱は本物ですので、とっくり味わってみてください!
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