Netflixリメイクの原点『ガス人間第一号』(1960)解説|SF・ホラー特撮×メロドラマ

クライム・サスペンス映画

世界中が注目するNetflixの新ドラマ『ガス人間』。その元ネタであり、伝説の原点こそが、1960年公開の東宝特撮映画『ガス人間第一号』です。

現代の最先端映像で蘇る本作ですが、オリジナル版が持つ輝きは今見ても素晴らしい。SFホラーの特撮映画という枠組みでありながら、その本質は観る者の胸を締め付ける、あまりにも純粋で切ないメロドラマです。

新作を何倍も深く楽しむために、今こそ知っておきたい本作の普遍的な魅力に迫ります。

bitotabi
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ゴジラやウルトラマンとは違う、等身大の特撮×メロドラマというのが、かなり特徴的で面白いんですよ。

ダニー
ダニー

Netflix版がより一層面白くなりそうなある仕掛けも解説するよ!

【作品概要】

  • 公開年:1960年
  • 監督:本多猪四郎
  • 特撮監督:円谷英二
  • 脚本:木村武
  • キャスト:土屋嘉男(水野)、八千草薫(春日藤千代)、佐多契子(京子)、三橋達也(岡本刑事)
  • あらすじ:連続銀行襲撃事件を追う警察の前に現れたのは、身体を気体化できる能力を持ったガス人間こと水野だった。どんな警備もすり抜ける無敵の能力を使い、彼は没落した日本舞踊の家元・春日藤千代の復活公演のために資金を貢ぎ続ける。社会への復讐と、一途すぎる愛の行方が迎える衝撃の結末とは。
bitotabi
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見逃せないのはやはり『ゴジラ』シリーズを数多く手がけた円谷・本多ペアによるものだという点ですよね。

◆ SFホラーの枠組みで描かれる「狂おしいメロドラマ」

本作は、人体実験によってガス人間となってしまった男の犯罪を描く、SFでありホラー風味の特撮映画です。しかし、その根底に流れているのは、驚くほど純度の高いメロドラマに他なりません。手に入れた常軌を逸した能力は水野の心をも変え、法や国家権力すら全く恐れない怪物へと変貌させましたが、その圧倒的な力のすべては「藤千代にもう一度舞台で踊らせてあげたい」という、ただ一つの目的のためだけに費やされます。特撮というジャンル特有のハッタリや恐怖が、むしろ二人の哀愁漂う愛の輪郭をよりいっそう際立たせています。

bitotabi
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このあたり、クローネンバーグの『The Fly』がよく似ていると思うんですが、あれは1986年公開。やはりかなり前衛的だったのではないかなと思いますね。

ラストの演目『鶴』と鬼の面に込められた美しい暗喩

物語のクライマックス、八千草薫さん演じる藤千代が舞台で披露する日本舞踊の演目は、創作舞踊『鶴』です。民話の『鶴の恩返し』をモチーフにしたこの舞は、自らの身を削って恩を返す鶴の姿を描いており、水野の献身的な愛と、それを受け入れて共に運命を共にする藤千代の覚悟をそのまま写し鏡のように表現しています。

後半に鬼の面を着けて舞うパートは、決して見てはならない異形の正体を受け入れた二人の狂気的な愛を視覚的に象徴しており、映画史に残る圧倒的な名シーンとなっています。



【注目】Netflix版へ受け継がれる「ある動作」の謎

ここで、オリジナル版を知るファンだからこそニヤリとしてしまう注目のポイントをひとつ。

実は現代のNetflix版において、早くも第1話の段階で、ある人物がオリジナル版の水野と同じ「ある動作」を見せるシーンが登場します。往年のファンなら思わず「おっ!」と声を上げてしまうこの心憎い演出。

果たしてこれは、そのまま設定を受け継いでいる直球のオマージュなのか、それとも観る者を惑わせる巧妙なミスリードなのか。その真相を確かめるためにも、ぜひ1960年版の記憶を鮮明にした状態で新作に挑んでみてください。

【今日の映学】

最後までお読みいただきありがとうございます。

1960年版『ガス人間第一号』は、円谷英二氏による当時の最先端特撮技術と、本多猪四郎監督が描く人間のドラマが見事に融合した、東宝変身人間シリーズ屈指の名作です。

特撮というジャンルを超えて、今なおリメイクされ続ける理由がその圧倒的なエモーションの中にあります。

オリジナル版のあの美しい所作や切ない空気感を胸に、現代のNetflix版へと続くガス人間の系譜をぜひ見届けてみてください。

bitotabi
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私も楽しみです!

ダニー
ダニー

Netflix版もすごい監督だもんね~。

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