『クジラに落ちた男』を鑑賞してきました。
予告編を観てから「笑えそうな映画だな」とかなり期待していた作品。
でも、観てみてビックリ。
寧ろ、泣けました。いや、もちろん笑えるシーンもあったんですけどね。
想像していたよりドラマチックで、ただのパニック作品では、ないんですよ。

そうだったね!原作について知ると、納得できるよ。

原作について少し説明を加えつつ重要な部分に関するネタバレは伏せて、観る前に読むと一層楽しめる、観た後に読むと一層深まる解説をお伝えします。
作品概要
『クジラに落ちた男』は2026年10月に公開された作品です。
監督・脚本はブライアン・ダッフィールド。主演はオースティン・エイブラムスです。
公式サイトのあらすじは下記の通りです。
“巨大クジラに丸呑みされた――”タイムリミットは、1時間。誰も見たことがない、《クジラの体内》で始まる脱出サバイバル。
果たして生きて帰ることはできるのか――。
青年ジェイは、海でまさかの絶体絶命に…。脱出するカギは、あれほど憎かったダイビングの師である亡き父の教えの中に隠されていた。https://www.20thcenturystudios.jp/movies/whalefall
ネタバレなし解説
主演のオースティン・エイブラムスは『ウエポンズ』・『バイオハザード』とホラーのヒット作に相次いで出演している俳優で、どちらも割とじっとり怖いというよりはアッパー系の作品で、ホラー耐性が強い人にとっては笑えるような映画だったんですよ。
監督・脚本のブライアン・ダッフィールドは『コカイン・ベア』というかなり秀逸なパニック映画を以前世に送り出しています。これも怖いけど結構コミカルな作品です。レイ・リオッタの遺作としてややグッとくるところはあるんですが。
なので、正直本作は予告でも前情報でもまあコメディだろうと踏んでたんですよ。
しかし、開始3分で「おや?」と感じたんです。これ、多分ただのお気楽系パニックじゃないなと。
勿論メインは息も苦しくなるような海中のサバイバルパニックなんです。
でも、最後まで観てやはりこれはかなりドラマチックだなと感じました。後半は結構泣けちゃいます。
その要素となっているのが、家族、特に父と子の関係ですね。父の死と、息子の心情。これが物語の中で強く描かれます。
タイトルから解説すると原題は『Whalefall』で、「クジラに落ちる」という意味に加えて、「鯨骨生物群集(げいこつせいぶつぐんしゅう)」という言葉に由来しています。鯨骨生物群集とは、死んだクジラが沈み、その死骸を中心に形成される生物群集のことです。隔離された環境の特殊な生態系なんです。
これが、物語に登場する一家や父が息子に依存する様を象徴していると取れますね。
あのお父さんは周囲からは尊敬されているものの、家では息子に対して虐待に近い関係を敷いていました。そのことを知っているのは家族だけ。
海沿いの港町で、周囲に知られることなく強烈に依存する。
こういったものを表しているのかもしれません。そして、きっとそれはあの家族だけではないと。
原作ではそのあたりの描写がもっと克明に描かれているのだと思います。
これだけ聞くと、家族を縛って、父の死によってその呪縛から解放されたのにまた悩まされる。なんだか重そうだし嫌な感じのストーリーだと感じられるかもしれません。
でも、何というか立松和平の「海の命」のような、神聖さも後味として残る作品になってるので、安心して鑑賞してみてほしいです。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます。
『クジラに落ちた男』について解説をお届けしました。

鑑賞者の親子関係によって、かなり見え方が変わる作品かもしれませんね。

とにかく、ただのパニック映画ではないんだよ!
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