スコップ持つたびに思い出すけど
映画『罪と悪』を鑑賞しました。
監督は、本作が長編デビューとなる齊藤勇起さん。
中学時代に起こった悲劇的な殺人事件の関係者が、20年の時を経て再び関わるという、田舎再会系ノワールです。『ミスティック・リバー』に似た感じがします。
何者かに殺された14歳の少年、正樹。彼の遺体は町の中心のある橋の下で発見された。
同級生の春・晃・朔は、正樹を殺した犯人と確信した男の家に押しかけ、もみあいになる。
そして、男は1人の少年に殺される。
彼は家に火を放ち、事件は幕を閉じたはずだったー。
時が過ぎ、刑事になった晃は父の死をきっかけに町に戻り、朔と再会する。
ほどなく、ある少年の死体が橋の下で見つかる。20年前と同じようにー。
晃は少年の殺害事件の捜査の中で、春と再会し、
それぞれが心の奥にしまっていた過去の事件の扉が再び開き始める。かつての事件の真相は、そして罪と向き合うということとはー。
https://tsumitoaku-movie.com/
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今回の記事では、本作の見どころや感想を解説していきます。
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ストーリーに関するネタバレがあるから気をつけてね!
豪華キャスト
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本作はキャストが非常に豪華です。
主要人物3人は、
主人公・春を、『シン・ゴジラ』『横道世之介』の高良健吾さん、
友人・晃を『37セカンズ』『破戒』の大東駿介さん、
友人・朔を『時をかける少女』で千昭役の声優を務めた石田卓也さんがそれぞれ演じています。
佐藤浩市さん、椎名桔平さん、村上淳さんらが脇を固めています。
あと、刑事役で勝矢さんも出演しています。この人本当に刑事とかヤクザの役が似合いますよね。
『ゴールデンカムイ』で不敗の牛山を演じていたのといい、今年は大活躍しそうな予感です。
田舎って恐い
本作は田舎の恐ろしさを体感できる物語です。
田舎では警察と犯罪者の結びつきも強く、犯罪を見逃したり、大目に見たりしているように描かれています。
それによって、どこまでが犯罪か分からなくなってしまっていると。
日本のルールではなく、その町のルールで生きているんですね。
この恐ろしさを描くのはとても上手かったです。
高良健吾さんの右腕的な男、健太郎が特にそれを体現してます。
「正当な理由があるなら、金を盗んでも罪と感じる必要はない」
というセリフや、
殺しを遂行してしまうなど(しかも捕まらない)
は異常過ぎる行動です。
刑事役の椎名桔平さんのいかれっぷりもやばかったですね。
もう、ずぶずぶに汚職して、何が何だかわかんなくなっちゃってる感じ。
これが本作最大のメッセージでしょうね。
職場とか住む場所とか変わると、ルールの違いに驚くけど、自分も知らず知らずのうちにそれに染まっていく。
そういう恐ろしさを伝えてくれているのでしょう。
感想
本作、全体的なストーリーは、面白いです。
上記の、ローカリズムに染まりすぎると、どこまでが犯罪か分からなくなるというメッセージもいい。
ただ、ちょっと説明的なセリフが多すぎるように感じました。
普段映画を観ている時は、
「もうちょっと説明してくんないとわかんないよ」
とよく思ってしまいますが、説明され過ぎるのもよくないんだなと本作を観て実感しました。
セリフが多い作品だと、想像力のスイッチをオフにして、聞き取りの方に意識をオンしてしまうんだと思います。
その結果、上手く聞き取れないセリフがあると、そこが気になったり、情報が足りなくなってしまったりするんですよね。(本作では何か所か、はっきり聞き取れないところがありました。私の耳のせいかもしれません…)
あと、ラストシーンはどうなのでしょうね…。
「ああ、やっちゃうんだ。なんで?」
というのが率直な感想でした。
罪を被ってやったのにおまえだったんかい!やったらあ!
というのが春の思いなんですかね?
誰も裁けないから俺が…、っていう『バットマン』的な成敗なのかな。
今一つ腑に落ちない感はありました。
生かしながら苦しめるラストを演出してほしかったような気がします。
とはいえ、伏線回収の気持ちよさもありますし、
誰でも理解できるレベルの話だと思いますので、
日本のクライム・サスペンス系を観たい人にはオススメです。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
映画『罪と悪』の見どころと感想をお伝えしました。
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ローカリズムの恐ろしさを体感できる作品です。
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豪華キャストの演技にも注目だね。
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