映画「不都合な理想の夫婦」を鑑賞しました。
理想の夫妻の崩壊劇を極限まで描く、虚飾と野望の傑作心理スリラーです。
ジュードロウが出演しています。
彼目当てで観にいく人が、たくさんおられるのではないでしょうか。
![管理人](https://www.three-minutes-philosophy.com/wp-content/uploads/2022/04/SP-Studio.png)
しかし、「不都合な理想の夫婦」のジュードロウは、かなりカッコ悪い役です…。
ジュードロウがカッコ悪い理由や、見どころを解説します!
はじめに
「不都合な理想の夫婦」は2022年に公開されたイギリス映画です。
サンダンス映画祭のプレミア上映で話題を巻き起こし、英国インディペンデント映画賞では6部門にノミネートを果たした本作。主人公のルーニーを演じたのは『ファンタスティック・ビースト』や『シャーロック・ホームズ』シリーズなどで熱烈な人気を誇るジュード・ロウ。その妻役を演じたキャリー・クーンは、「FARGO/ファーゴ3」でエミー賞にノミネートされ、近年は『ゴーストバスターズ/アフターライフ』などの話題作への出演が続く。監督は『マーサ、あるいはマーシー・メイ』でサンダンス映画祭の監督賞を受賞したショーン・ダーキン。英米の両国で暮らした体験から、自身で感じた文化的な差異をもとに脚本を手掛けた。この春、誰もが羨むような理想の夫妻の“不都合”な真実を目撃した時、あなたは、美しくもダークな極上の心理スリラーを体験する。
https://movie.kinocinema.jp/works/thenest
それでは、ジュードロウがカッコ悪い理由から解説します!
ジュードロウがカッコ悪い理由
ジュードロウといえば、セクシーでカッコいい、男女ともに憧れる俳優ですよね。
AIやホリデイでは、うっとりするような甘い雰囲気漂う役を演じていました。
また、「ファンタスティックビースト」でも、若いころのダンブルドアを演じています。こちらもカッコいい。
しかし!「不都合な理想の夫婦」はかなり残念な役を演じています…。
一言でいうと、ええかっこしいです笑
見栄はりまくりのとても嫌な役でした。
でも逆に、残念な感じが、親近感を覚えるので、彼を身近に感じたい人にはいいかもしれません。
相変わらず、見た目は超かっこいいんです!
キャリークーンにも注目!
妻アリソン役を演じるのは「キャリークーン」
![](https://www.three-minutes-philosophy.com/wp-content/uploads/2022/05/IMG20220504154855-1024x768.jpg)
デビッドフィンチャー監督作品「ゴーンガール」では、失踪した妻を演じました。
また、「ゴーストバスターズアフターライフ」に出演した際は、貧困なシングルマザーを演じています。
実に様々な「母」「妻」に挑戦しているキャリークーン。どの作品の演技も美しく、素晴らしい。
今作では家庭崩壊に苦しむ妻を演じています。見事ですよ…!
割と普通の家庭崩壊ドラマ
![](https://assets.st-note.com/img/1651708699333-iVH8dkIwcA.jpg)
今作のストーリーは、割と普通です笑
心理スリラーという謳い文句が目立っていますが、そんなにスリリングな出来事は起こりません。
「どんな怖いことが起こるんだろう」
「いったいどんなどんでん返しが…?」
と思っていると、拍子抜けするかも。
むしろ、移住、思春期の子育て、収入の問題など、現実的なテーマが多いので、共感しやすいかもしれません。
ジュードロウやキャリークーンと悩みを共有するチャンス!笑
原題『Nest』と『馬』が意味するのは…
今作はいくつか謎がはっきりしないまま終わります。
原題『Nest』と、『馬』に注目するとストーリーに深みが増すはずです。
こちらはブログで!重要なメタファーがあるようです。
まず、原題について解説します。
『The Nest』とは
原題は『The Nest』です。
「Nest」は日本語で「巣」を意味します。
![](https://assets.st-note.com/img/1651709556404-WMCbhrlTAG.jpg)
邦題と全然違って驚きますね。
今作では、アメリカからイギリスへの移住から、物語が始まります。
妻の故郷である夢の国アメリカから、夫の故郷である伝統の国イギリスに巣を変えたことで、いったいどんな結末となるのか。
夫婦の問題と合わせて、移住に注目するとストーリーのみえ方がくっきりしてきます。
『馬」が意味するもの
![](https://assets.st-note.com/img/1651709569332-BK0tXFE7XT.jpg)
今作で妻アリソンは「馬」を飼い、馬術トレーナーとして働いています。
1つ目の仮説は、「馬=妻の精神状態のメタファー」
馬が一家のもとへやって来るシーンや、馬が馬小屋で暴れるシーン、そして病気で倒れるシーンなどは、すべて妻アリソンの精神状態を表しているという説です。
妻アリソンは、イギリスに渡ってから、かなり不安定になります。この心の動きを、彼女の誇りであり、一番大切な『馬』に投影しているのです。
2つ目の仮説は、「英米の歴史と馬の関連のメタファー」
歴史的な視点で、馬とアメリカ人との関わりを読み解いてみます。
大航海時代まで、インディアンの暮らすアメリカには馬がいませんでした。
イギリス人をはじめとする、白人人種が馬を持ち込み、先住民たちはその機動力に圧倒され、恐れおののいたそうです。
また、天然痘のような感染症も一緒に持ち込まれ、恐怖に陥れられた先住民はあっという間に征服されました。
つまり、「馬=支配」「馬=絶対的な力」といった感じ。
その視点を持って映画を観ると、アメリカで馬の調教力を得た妻アリソンが、その力をもって今度はイギリスへ…。リベンジのような視点です。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
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ストーリーは割と普通ですが、主演2人の演技のすさまじさで、退屈することはない映画でした。
そして、イギリスとアメリカの歴史的背景を感じつつ観るとより楽しめる映画です!
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