「テオレマ」をテアトル梅田で鑑賞しました。
ピエル・パオロ・パゾリーニの生誕100年を記念したリバイバル上映。
私にとって、はじめてのパゾリーニ。意味不で眠くなっちゃうかな〜。という不安をよそに、ギンギンに堪能できました。
はじめに
北イタリアの大都市、ミラノ郊外の大邸宅に暮らす裕福な一家の前に、ある日突然見知らぬ美しい青年が現れる。父親は多くの労働者を抱える大工場の持ち主。その夫に寄りそう美しい妻と無邪気な息子と娘、そして女中。何の前触れもなく同居を始めたその青年は、それぞれを魅了し、関係を持つことで、ブルジョワの穏やかな日々をかき乱していく。青年の性的魅力と、神聖な不可解さに挑発され、狂わされた家族たちは、青年が去ると同時に崩壊の道を辿っていく…。https://ttcg.jp/human_yurakucho/movie/0829500.html
キリスト教の寓話的なお話だそうです。
確かに、何も考えず、ストレートにそのまま観ると訳がわからないと思います。
今こそ私なりに解釈したことをお伝えし、見終わって?が浮かんでいる人や、苦手な人の予習になれば幸いです。
性や肉欲、愛欲を失うと
テレンス・スタンプ演じる「訪問者」は最後まで謎の存在です。
人なのか、人ならざる者なのか…。
監督のパゾリーニは「悪魔と天使の間のような存在」だと言ってたそうです。
彼は一家の全員と肉体関係を結びます。
「訪問者」=「愛」や「性欲」、「肉欲」、あるいは「美徳」のようなものだと考えると、何となくしっくりきます。
さあ、「愛」や「肉欲」を失うと、人にはどのような変化が起こるのか。
それを暗に伝える映画なのだと思います。解説に参りましょう!
悟りを開く
お手伝いさんに起こった変化です。
彼女は不思議な能力を身に着け、疱瘡の子どもを治したり、浮遊したりしていました。
新たな人ならざる者の誕生のような、そんな変化です。
別の愛を求める
お母さんに起こった変化です。
愛を埋めるため、別の若い男をハンティングしていました。
まあ、案外これが一番自然ですね。
全てを捨てる
お父さんの変化です。
工場を手放していました。つまり、お金も家族も捨てる。そんなマインドになっていたのです。
最後はパンツも捨てます。
狂う
息子と娘に起こった変化です。
芸術的感性の混乱が息子に。
精神的苦痛による自我の損失が娘に。
年齢が若いほど、ショックの度合いも大きかったように見えました。
ストレートな見どころ
ストレートな見どころも紹介しておきます。
「ラスト・ナイト・イン・ソーホー」に、謎の老人として出演していた、テレンス・スタンプ。30代よりも若いころの、彼の美しさは注目です。
一家を崩壊させた、妖艶な魅力をご堪能ください。
音楽にも注目。エンニオ・モリコーネの安定感。彼の音楽があるから、すごく高尚な映画に思えます。
思わず笑っちゃう見どころ
こちらはブログで!結構笑いどころも多いです。シリアスと笑いは紙一重ですね…。
スコップスロー
駅でパンツスロー
絵に尿ジョロー
など、笑いどころたくさんです。
もう、観ればわかります。期待していいです笑
あと、女性が頻繁に走るのも、どこか面白いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
寓話的な話を、楽しく観られたのは初めてです。いい体験でした。
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