遥かなる未来、未知の惑星、あるいは私たちの日常に潜む非日常――SF映画は、時に言葉を失うほどの衝撃的な瞬間を私たちに突きつけます。
今回は、そんな数あるSF映画の中から、特に印象深い衝撃的なシーンを厳選してご紹介します。
あなたの好きなシーンも入っているかな？
『2001年宇宙の旅』 – 脳がとろけそうな映像体験
キューブリックが描く宇宙の映像は、公開から半世紀以上経った今見ても色褪せません。特に、モノリスとの遭遇やスターゲート・シークエンスにおける、万華鏡のような色彩と幾何学的な光の奔流は、まさに「脳がとろける」ような感覚。CGを一切使わずに、特殊効果と美術によって創り上げられたその映像美は、驚異の一言です。観る者を未知の領域へと誘う、圧倒的な映像体験は、SF映画史に残る衝撃と言えるでしょう。
【こぼれ話】 スターゲート・シークエンスの映像は、オイルと塗料を混ぜたものを水槽内で撮影したり、スリットスキャンという特殊な撮影技法を用いるなど、アナログな手法で驚くべき映像を作り出しました。
『ターミネーター2』 – 液体金属の脅威、頭部崩壊の衝撃
ジェームズ・キャメロン監督によるSFアクションの金字塔から、T-1000の頭部が銃弾によってぐにゃりと変形するシーンをピックアップ。液体金属でできたターミネーターの不死性と、従来のターミネーターでは考えられないその異質な性質を、視覚的に強烈に示しました。特殊メイクとCGの初期の技術が見事に融合し、観客に「こんな敵は倒せない！」という絶望感と衝撃を与えたのです。
【こぼれ話】 T-1000がサラ・コナーに擬態するシーンなど、同じ人物が二人同時に存在する場面では、リンダ・ハミルトンの双子の妹であるレスリー・ハミルトンが起用されました。また、精神病院の警備員役として登場するのも、ドン・スタントンとダン・スタントンの双子の俳優です。さらに、印象的な頭部が変形するシーンでは、初期のCG技術に加え、特殊メイクや液体金属のような素材を用いたプロップも活用され、リアルな質感を生み出しています。
『未来惑星ザルドス』 – 想像の斜め上を行く奇抜な衣装
ジョン・ブアマン監督のこの作品は、その難解なストーリーもさることながら、ショーン・コネリーをはじめとする登場人物たちの前衛的すぎる衣装が強烈なインパクトを与えます。特に、コネリーがまとう赤いビキニ、ふんどしのような姿は、一度見たら忘れられないほどの衝撃。しかし、彼だけでなく、他のキャラクターたちの服装も一様に奇抜で、退廃的で独特な世界観を形成しています。ある意味、SF映画における衣装の概念を覆したと言えるかもしれません。
【こぼれ話】 ショーン・コネリーは、この奇抜な衣装を着ることに当初抵抗があったそうですが、監督の熱意に押されて最終的には受け入れたと言われています。
『インセプション』 – 夢か現実か？ 終わらないラストシーン
クリストファー・ノーラン監督によるこの複雑なSFのラストシーンは、観る者すべてに衝撃と疑問を投げかけます。主人公コブの持つコマが回り続けるのか、それとも倒れるのか。夢の世界から現実に戻ってきたのか、まだ夢の中にいるのか。曖昧な終わり方は、観客自身の解釈に委ねられ、映画が終わった後もその衝撃と考察は尽きることがありません。「どっちなんだ？！」と思わずにはいられない、知的興奮と困惑が入り混じるラストです。
【こぼれ話】 ラストシーンの解釈は長年議論の的となっていますが、実は監督が、ある俳優の出演シーンに関して、現実であるというヒントのような発言をしているという情報も……。気になる方は、ぜひ私の別の記事でその真相をご確認ください。
『MIB』 – 型破りな発想が生む、椅子の衝撃
ウィル・スミス演じるジェームズが、MIBのエージェントになるためのテストで、動かない椅子に座るよう指示されるシーン。他の受験者が戸惑う中、彼はその椅子を軽々と動かしてしまいます。これは、彼の柔軟な思考を示唆している…かと思いきや、単にルールを無視する破天荒さを見せつけるだけという、意表を突く展開。SF的なガジェットが登場する中で、主人公の予測不能な行動が、ある意味で最も衝撃的な瞬間と言えるかもしれません。
【こぼれ話】 このシーンは、ウィル・スミスの即興的な演技によるものだという説があります。監督のバリー・ソネンフェルドは、彼の自由な発想を積極的に取り入れたそうです。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます。
いかがでしたでしょうか？
今回ご紹介した5つのシーン以外にも、SF映画には忘れがたい衝撃的な瞬間が数多く存在します。
どの映画もとっても面白いから、観たことが無い人はぜひ！
皆さんの心に残る衝撃的なSFシーンは何でしょうか？ぜひコメント欄で教えてください。
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