彼女のスパゲティ 彼女のジョーク 彼女のお話
映画『ミセス・ダウト』をAmazon Prime Videoで鑑賞しました。
本作はロビン・ウィリアムズ主演のコメディ映画。公開は1993年。
監督はクリス・コロンバス。『ハリー・ポッター』の初期3作や、『ホーム・アローン』を手掛けた名手ということもあって、エンタメとしてめちゃくちゃ楽しみやすい作品ですが、若干終わり方に賛否が分かれそうな感じ。

私は肯定派ですが。

どんな終わり方なんだろ?
物語の結末について触れますので、もし知りたくない方はご注意ください。
分かっていても、面白いですが。
本作の主人公ダニエル(ロビン・ウィリアムズ)はフリーの声優。
自由奔放な、明るい性格の持ち主です。
彼の家族は、長女長男次女の三人と、インテリアデザイナーの妻。
放送局と自分との方向性の違いを覚え、勢いのまま退職するところから、物語は始まります。
その足で、子どもたちを学校へ向かいに行くダニエル。
その日は長男の誕生日で、たくさんの子どもたちと動物たちをゲストに招きます。
近所からの通報を受け、仕事を放り投げて帰宅する妻。
これまでの奔放な態度に加え、今度という今度は我慢ならず、ついに離婚を切り出します。
あれよあれよと離婚の裁判は進み、無職のダニエルは親権も持てません。
愛する家族と離れて一人暮らしを始めるダニエル。
いろいろあって、家政婦「ミセスダウトファイヤー」として変装し、家族の傍で働く事になるのです…。

といった感じのあらすじです。
まず、キャストについて言及すると、ロビン・ウィリアムズが抜群。

今回の役は声優ということで、様々な声真似を披露しています。
彼の演技の幅を見せつけられますね。

妻を演じたのはサリー・フィールド。
フォレスト・ガンプのお母さん役で有名な人ですね。
彼女のキャリアウーマンらしい演技も素晴らしい。

そして、セクシーな恋敵を演じるのはピアース・ブロスナン。
5代目ジェームス・ボンドですね。とにかくカッコいいし、優しいいい男です。
そして、何といっても素晴らしいのが、グレッグ・キャノムによる特殊メイクです。『タイタニック 』『マスク』などでも特殊メイクを担当した人で、数々の賞を受賞しています。

これ、ロビン・ウィリアムズですよ。すごいですよね。めちゃくちゃお婆さんですよね。
ロビン・ウィリアムズが演じてるっていうのは間違いなく分かる。しかしながら、妻や子どもが全く気付かなかったとしてもギリギリリアリティがある。
そんな絶妙なメイキャップだと感じました。

本作では、終盤にこんなセリフがあります。
テレビ番組のお便りコーナーで、両親の離婚について悩む子どもに対する主人公のアンサーです。
「お父さんとお母さんは、別々に生きたほうが互いによい人間でいられるんだよ」
そして、この映画は、妻と主人公は復縁することなく幕を閉じます。
で、この映画の公開年が93年なんですが、
これくらいの年って、働く女性、独立した女性が増え、離婚率も社会的に増えてきた時代なんですよね。
日本も、これくらいの時代に、離婚をテーマにしたドラマとかそういったワイドショーが多かったんです。
かくいう私の両親も、そういう世間の煽りもあって、離婚していますし…。
女性の経済的自立が可能になってきたということもありますし、逆に本作のように、男性も子育てをすべきだという、家父長制の終末のような雰囲気が、確かにあったんです。
離婚することは認知されるようになってきた。
でも、子どもへの影響や世間からの風当たりはまだまだ穏やかなものではない。
そういった離婚した人たちへ向けて、
「こういう家族のかたちがあってもいいんじゃない」
と、ポジティブなメッセージを送っているんですね。
どうせ元さやに戻るんだろうと思っていたので、この終わり方、今観ても前衛的なんだと思います。

最後までお読みいただきありがとうございます。
映画『ミセス・ダウト』について解説しました。

笑えるけど、考えさせられる作品だね。
X(旧Twitter)はこちら
https://twitter.com/bit0tabi
Instagramはこちら
https://www.instagram.com/bit0tabi/
Facebookはこちら
https://www.facebook.com/bit0tabi/
noteはこちら
https://note.com/bit0tabi
https://www.amazon.co.jp/gp/video/storefront?benefitId=default&tag=neotennoji-22
コメント