『きっと、それは愛じゃない』あなたがムスリムに恋したら？

恋に落ちることもあれば、好意に落ちることもある

映画『きっと、それは愛じゃない』をシネリーブルで鑑賞しました。

ロンドンを舞台にした、恋愛映画です。

ドキュメンタリー映画監督の女性が、幼馴染のパキスタン系男性の婚活に密着して撮影をするというお話です。

主人公は、いつか運命の相手に出会えると信じてきたが、何だかうまくいかないドキュメンタリー監督のゾーイ。幼馴染のカズの「今どき見合い結婚？」を新作のテーマに、いろんなカップルのエピソードを追いかける彼女が、たどり着いた”答え”とは？

https://wl-movie.jp/

主演は『ベイビー・ドライバー』『イエスタデイ』のリリー・ジェームズ。この人、とてもチャーミングで大好きです。

幼馴染のパキスタン系男性を演じるのはシャザド・ラティフ。

多民族の首都ロンドン

イングランドの首都であるロンドンにはたくさんの民族が集まり住んでいます。

市民には非常に多くの少数民族が含まれていて、その内訳はインド人・バングラデシュ人・パキスタン人が10％、黒人系アフリカ人5％、カリブ海諸国の黒人5％、中国人1％、その他の少数民族が3％となっています。 ロンドン市民のほぼ22％が欧州連合（EU）圏外の出身です。

https://kc-i.jp/activity/kwn/gianfranco_b/20201006/

めちゃくちゃ多いですね…！

全体の10％とはもの凄い。

インドでは1947年の独立まで約200年間、英国の支配が続いた関係で、多くのインド人たちが英国に移住して暮らしているそうです。

独立後のインドでは暴力が横行し、社会問題に。

それを逃れるため、1950年代と60年代に多くのインド人がイギリスへ渡ってきました。（ちなみに、イギリスの現首相はインド系のリシ・スナ氏です）

隣国のパキスタンも、その影響を受けた感じですね。

また、パキスタンはイギリス連邦の加盟国であったため、移民は容易であり、 第二次世界大戦後、英国で生じた労働力不足を埋めるためにパキスタン人を呼び込んだそうです。

なので、映画のような問題もたくさんあるんだと思います。

ムスリムの人との結婚や恋愛のハードルの高さといいましょうか…。

日本だとどうなんですかねぇ。

私の周りにはムスリムと結婚している人はいませんが。

ちなみに日本の首都東京は2019年時点で外国人人口は全体の4％ほど。

現在はコロナ禍で減ったとは思いますが、思ったより多いですよね。

　

ムスリムとの結婚

本作は、結構早い段階で、誰と誰が結ばれるかが何となく予想できます。

回りくどーくなかなか結ばれない様は、まるで少女漫画『花より男子』のようでした笑

『花より男子』は金持ちとそうでない男女の恋愛のハードルでしたが、『きっと、それは愛じゃない』はもう少し複雑な、宗教的なハードルを描いていました。

ムスリム男性と結婚することです。

ムスリムとは、イスラム教徒のこと。

映画の中では、妹がムスリムではないロンドンの白人男性と結婚したことで勘当されていました。

一族の恥のような扱いまで受けているんですね。

イスラム教では、『コーラン』に異教徒との結婚を禁じる記述があり、無宗教、あるいは別の宗派の者がイスラム教徒と結婚しようとすれば、改宗を求められるケースが多いんです。

厳格な信者になると「異教徒と結婚する」ことに強い抵抗感があるといわれています。

キリスト教のプロテスタントやカトリックにも、こういった信仰があるにはあるんですが、形骸化しているのが実際のところです。

私は無神論者なので、あまりこういったことに関心はありませんが、今なお聖地を巡って激しい戦争が起きているのが現実なので、「宗教くらい」と軽視することはできませんよね。

信じている人に対しては、デリケートに向き合うべきだと思います。

でも、恋はハリケーンであると。

何とも難しい問題であります。

もし、あなたが恋に落ちた人が、ムスリムだったらどうするか…。悩みますよね。

ちなみに本作の原題『What’s Love Got to Do with It？』訳すると、

「愛はそれと何の関係があるの？」になります。

それ＝宗教（religion）なのでしょうかね…。だとしたら結構、メッセージ性の強い作品だと思いませんか？

今日の映学

最後までお読みいただきありがとうございます！

映画『きっと、それは愛じゃない』を通じて、ロンドンにおけるパキスタン系の人口割合や、ムスリムの人との婚姻について解説しました。

　

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