この国は世界で一番幸せな国と言われているそうです
それなのに 先生のように国の未来を担う人が 幸せを求めて外国に行くんですね
『ブータン 山の教室』をAmazon Prime Videoで鑑賞しました。
こちらの作品は、タイトルでお察しの通り、ブータンの映画です。
第94回アカデミー賞にて、ブータン映画史上初の国際長編映画賞ノミネートを果たしました。
劇場公開を逃してしまって、ずっと観たかった作品なんです。
Amazon Prime Videoに来てくれてよかったね。
今回の記事では、『ブータン 山の教室』の見どころをお伝えしていきます!
あらすじ
本作のあらすじはこんな感じです。
現代のブータン。教師のウゲン(シェラップ・ドルジ)は、歌手になりオーストラリアに行くことを密かに夢見ている。だがある日、上司から呼び出され、標高4,800メートルの地に位置するルナナの学校に赴任するよう告げられる。一週間以上かけ、険しい山道を登り村に到着したウゲンは、電気も通っていない村で、現代的な暮らしから完全に切り離されたことを痛感する。学校には、黒板もなければノートもない。そんな状況でも、村の人々は新しい先生となる彼を温かく迎えてくれた。ある子どもは、「先生は未来に触れることができるから、将来は先生になることが夢」と口にする。すぐにでもルナナを離れ、街の空気に触れたいと考えていたウゲンだったが、キラキラと輝く子どもたちの瞳、そして荘厳な自然とともにたくましく生きる姿を見て、少しずつ自分のなかの“変化”を感じるようになる。
https://bhutanclassroom.com/
映画の中のセリフにも登場するんですが、この村は世界一の僻地とも言えるような場所にあるんです。
最寄りのバス停からなんと、8日間ハードな山道を歩かなければ辿りつけないのです。
限りなく中国寄りの山間の場所にあります。
ぶっちゃけ、人によっては辿り着けないレベルですよね。
本当に大昔のような暮らしがそのまま残っている感じです。
ちなみに原題は村の名前の『ルナナ』というシンプルなものになっております。
ブータンの美しい自然
パオ・チョニン・ドルジ監督はこの映画のねらいの一つとして、ブータンに残る美しい自然を見せたかったんだと思います。
かなり圧倒されますよ。
山々の荘厳さ、豊かさ。ただの牛ですら、尊大に感じます。
生き物や食べ物、自然の有難みをありありと感じさせられました。
山を登っている最中や、村人たちとの会話の中で、主人公は様々な信仰や習慣に触れます。
そこから汲み取れるのは、ルナナの人々は、自然を信仰しているのだということ。
ブータンといえばチベット仏教が主な宗教ですが、映画の中でルナナの人々は宗教を信仰している描写はありませんでした。信じているのは自然。
これ、日本と似てますよね。精霊信仰が根強く残っているというか。山には神様がいるという考え方。
『もののけ姫』のような考え方です。山々の神様は在るものだと考えるという。
本当に現代になってもそのような文化が残っており、それに寄り添いながら暮らしている人々がいるというのは、美しいことだと思いませんか?
キャストは本物の村人
そんな自然と寄り添って暮らすルナナの人々を演じているのは、本物の村人たちなんです。
これがこの映画のすごいところ。感動しますよ。
登場するのは、実際にルナナで暮らす人々。
メインヒロインとか、香川真司にそっくりな主人公の先生は流石に俳優ですが。
で、やっぱり惹かれてしまうのが、ポスターの子、ペムザムちゃん。
撮影当時は9歳。クラス委員を演じています。本当に自然で可愛いんですよ。
そして、映画同様家庭は崩壊しているそうで、事実上祖母との二人暮しなんだとか。
ちなみに最近の画像はこちら。監督と一緒に映っています。
他の子どもたちや村人たちも、どんどん先生と親密になっていくのが、とても健気で素敵です。
幸福とはなんだろうか
ブータンは、世界一幸せな国であると、しばしばいわれますよね。
しかし実はそれは少し前のデータだともまた、言われています。
どういうことかと申しますと、ブータンは、2013年国連がデータをとった幸福度調査において、ブータンが世界8位となった実績は確かにあるんです。
他の上位国は北欧が中心。インフラの整備において、ブータンとは圧倒的な差があるんです。
それにも関わらず、様々な国を抑えて8位となった。これは真に幸せな国であるに違いないと。
そういった事情なわけです。しかし、2019年には156か国中95位に転落。
どうしてか。2018年に注目を集めてしまったことで、他国の情報もまた、ブータンに入ってきてしまったんですね。
それまでは情報閉鎖が半端じゃなかったんです。
他の国の暮らしっぷりを知ってしまったから、ブータンの人々は自分たちの暮らしが貧しいものなのではないかと感じてしまったと。
加えて、現在は主人公と同じように、オーストラリアに仕事を求めて渡る人がたくさんいるそうです。
ブータンは観光業に頼り過ぎたきらいがあるので、コロナ禍において、失業者がたくさん出てしまったんですね。そして、オーストラリアでいい仕事を手に入れることに成功した人も出てきたと。
なかなか、考えさせられるものがあります。
自然の雄大さに幸せを感じるか。それともテクノロジーや便利さに幸せを感じるか。
心にとっては、生物としては、どちらが豊かなんでしょうね。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
映画『ブータン 山の教室』の見どころをお伝えしました。
自然の美しさ、そしてそこで暮らす本物の村人。これを観られるだけでも、大変価値のある作品です。その上ドラマもめちゃくちゃ面白い。
可愛い動物や子どもたちにも惹かれるね!
『ブータン 山の教室』はAmazon Prime Videoで鑑賞できます!
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