未来を奪う行為を、私はさせない
映画『ブルーバック』をシネリーブルで鑑賞しました。
若き海洋生物学者アビーは、母のドラが脳卒中で倒れたとの知らせを受け、西オーストラリアの海辺の町ロングボート・ベイに帰郷する。幸いにも症状が軽かったドラはすぐに退院し、美しい海を一望できる高台の自宅に戻るが、言葉を発することができなくなっていた。母を世話するためしばらく実家に滞在することになったアビーは、環境活動家だった母とこの家で一緒に過ごした少女時代を思い返し、自身の原点を見つめ直していく。
https://eiga.com/movie/100132/
オーストラリアの海をテーマにした作品なんだね。
主演はミア・ワシコウスカ。
『アリス・イン・ワンダーランド』(10)で主人公アリスを演じた俳優です。
今回の記事では、より映画を楽しむために、作中に登場するグルーパーという魚や、オーストラリアの環境保護について解説していきます。
グルーパーとは
西オーストラリア州のハウトマン・アブロルホス諸島からメルボルンまで、オーストラリア南部の水深5~65メートルの海域に生息するベラ科の一種でサンゴ礁に生息する最大の硬骨魚類。体長約1.7メートル、体重は約40キロにも達し、耳石とよばれる魚の耳の骨は平衡感覚をつかさどる組織で樹木の年輪のように輪紋(りんもん)が刻まれている。輪紋は1年に1本のため、これらを数えることで魚の年齢を推定することができ、グローパーの耳石に刻まれた輪紋を数えたところ、この種の魚は約70年も生きられることがわかっている。グローパーが人間を魅了するのは、その寿命の長さと、ダイバーと出会うととても人なつこく、好奇心旺盛なところといえるだろう。しかし、この行動が素潜りやスキューバダイビングで、銛や水中銃を用いて魚類を捕らえるスピアフィッシングの被害を受けやすくしていることも事実である。産まれた時は皆メスで体の色はグリーン。グローパーが属するベラ科は雌雄同体が一般的と言われ、全てではないが30~35歳頃に体の色がブルーとなりオスへ変化するケースがある。だいたい、オス1匹、メス1~2匹、幼魚数匹からなる小さな群れ、“ハーレム”の状態で生活することを好み、オスは常に群れの中で一番大きい。オスが群れからいなくなると(たとえば漁や捕食、老齢など)、群れの中のメスがオスへ変化し、いなくなったオスの代わりとなると言われている。オスがいなくなってから数時間以内に、群れの中で支配的なポジションにいたメスは男性的な振る舞いを始める。数日後、メスの体色はオスのものに変わり、約14日以内に性別は完全にオスに変わる。この変化の結果、他のメスはハーレムの社会的順位がひとつ上がり、一番下には新しいメスのための空席ができると言われている。
https://blueback.espace-sarou.com/index.html
映画では知的で人懐っこく、とても大きな魚として描かれていますが、本当にその通りだそうですね。
水族館やダイビングで、ぜひ会ってみたいみたいものです。
『ブルーバック』でも少女と一緒にじゃれあうようなシーンがあるんですが、これがCGなのかロボットなのか実物なのか気になったので調べてみました。
グルーパーはCG?ロボット?本物?
まず、結論から申し上げますと、劇中のグルーパーはロボットです。
かなり本物っぽいですよ…。なんの違和感もありません。
これによって、実際に手で触れる様子をリアルに再現できているんですね。
あっぱれ、クリーチャー・テクノロジー社。
オーストラリアの環境保護
『ブルーバック』では、母が地元の環境を守るために必死に闘う様子が描かれていました。
オーストラリアは、世界でも5本の指に入るほど、固有種(そこにしかいない生き物)の多い国なんです。
カンガルー、ワラビー、コアラ、カモノハシ、ワラロウ、エミューなど。
オーストラリアの植物相も豊富で、特にユーカリ、ワトル、バンクシアなどが特徴です。
全部聞いたことがありますよね。
海の生き物に関しても同様で、魚類の約24%は固有種なのだとか。
そんなオーストラリアですが、環境問題はなかなか深刻なものなのです。
森林火災や海洋汚染、気温の上昇などが近年問題となっています。
日本でも大々的に報道されていた、2019年から2020年にかけて起きた森林火災では、ポルトガルの国土より広い面積の森林が焼失し、死者は約34名、約3,000の住宅やビルが焼失し、コアラの総数の3分の1が命を落としました。
プラスチックごみの海洋汚染も深刻な問題です。
海に囲まれたオーストラリア大陸では、大量のプラスチックごみが廃棄されています。
しかも、それらは国外から漂流してきたものではなく、オーストラリアの都心部付近のごみなのです。
こうした状況から、大手スーパーでは、2018年からレジ袋の廃止を進めているほか、2021年には政府が「国家プラスチック戦略」を発表するなど、国全体で問題解決に向き合っているそうです。
日本では有料化が2020年から始まりましたね。
また、海洋浮遊ごみを自動で回収する海のごみ箱「Seabin」も近年話題となっている対策の一つです。
製品の開発化に、クラウドファンディングサイトで支援を呼びかけたところ、約2カ月間でおよそ36万豪ドル(約2880万円)が集まりました。
Seabin1台が1年間に回収できるごみの量は、ビニール袋約9万枚、持ち帰り用コーヒーカップ約3万5700個、600mlのプラスチックボトル約5万個分だという。設置場所や天候、環境等によって左右されるものの、実績データに基づく回収ごみの平均重量は1日あたり3.9kgで、年間1.4トンを超えるのだとか。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
映画『ブルーバック』から、グルーパーやオーストラリアの環境保護について解説しました。
オーストラリアの美しい自然やそれを守るための闘いについて学びが深まる作品です。
グルーパーに会いたくなっちゃうね。
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