地球に留学してるような感じがしとるんよね。
映画『正欲』を鑑賞しました。
本作は、なかなか内容を語らずにお伝えするのが難しいので、鑑賞後にお読みいただければ幸いです。
朝井リョウさんの小説が原作となっています。
出演は、新垣結衣さん、磯村有斗さん、稲垣吾郎さん、東野絢香さん、佐藤寛太さんだよ。
STORY
横浜に暮らす検事の寺井啓喜は、息子が不登校になり、教育方針を巡って妻と度々衝突している。広島のショッピングモールで販売員として働く桐生夏月は、実家暮らしで代わり映えのしない日々を繰り返している。ある日、中学のときに転校していった佐々木佳道が地元に戻ってきたことを知る。ダンスサークルに所属し、準ミスターに選ばれるほどの容姿を持つ諸橋大也。学園祭でダイバーシティをテーマにしたイベントで、大也が所属するダンスサークルの出演を計画した神戸八重子はそんな大也を気にしていた。
同じ地平で描き出される、家庭環境、性的指向、容姿
映画『正欲』公式サイトより引用様々に異なる背景を持つこの5人。だが、少しずつ、彼らの関係は交差していく。
まったく共感できないかもしれない。驚愕を持って受け止めるかもしれない。もしくは、自身の姿を重ね合わせるかもしれない。それでも、誰ともつながれない、だからこそ誰かとつながりたい、とつながり合うことを希求する彼らのストーリーは、どうしたって降りられないこの世界で、生き延びるために大切なものを、強い衝撃や深い感動とともに提示する。いま、この時代にこそ必要とされる、心を激しく揺り動かす、痛烈な衝撃作が生まれた。もう、観る前の自分には戻れない。
普通が一番の稲垣吾郎さん演じる検事と、新垣結衣さん演じる特殊な指向を持った女性、ダンサーの大学生らのドラマを、それぞれに描きながら、やがて繋がっていくといった構成になっていました。
シン・新垣結衣
私がこの映画で一番の衝撃を受けたのは、新垣結衣さんの演技でした。
これまでに出演してきたドラマや映画とは一線を画す、見事な演技ですよ…。
そもそも、役柄がかなり特殊ですしね。
新垣結衣さんはその容姿から、恋愛ものに出演することがほとんどでしたが、今回はただのそれではない。
もう、冒頭のベッドの演技から、もの凄いです。
また、地味な女性を演じ切っている点にも脱帽。
普通、あれだけの女優だったら、「変わった人」「もてない女性」とかを演じる際、容姿の美しさから違和感を覚えるものですが、それが全くなかったんです。
立ち姿からもう、リアリティが溢れています。
間違いなく、新垣結衣のベストアクトだと思います。
フェチズム
この映画では「水フェチ」が扱われます。
新垣結衣さんと磯村有斗さんらは、水が流れているのを見ると興奮するのだそうです。
映画の中で登場した過去の事件は、2007年に実際に似たようなものがあったんですよ。
実際、面と向かってそういう表現をされたら、確かに、稲垣吾郎さんのように「何適当なこと言ってんだ」と思ってしまうでしょうね。
嘘を見抜く立場にあるなら、なおさらです。
自分の想定の範疇を越えると、人は理解できなくなるものです。
新垣結衣さんの職場にやってきた妊婦なんかは、結構キツイですね…。
あまりにも範疇が狭すぎる。
個人的には、宇野祥平さんの役のように、様々なことが、あるんだろうなと理解しようと、知ろうとする活動を絶やすことなく、いろんな可能性を吟味できる人になっていきたいと思いました。
正しい欲ってなんなんだ?
例えば、同性愛。
子孫を残すために、雄が雌と好ましく思い、交わる。
これが、自然な生存本能なのでしょう。
じゃあ、同性愛って何なのか。
性的な興奮を、同性に向けるというのは、生物として自然なものではないのかもしれません。
じゃあその性欲は、何なのか。
性欲より奥の方、精神的なものであるのか。
性欲の向こう側にある、趣向のようなものなのか。
どちらにしても、動物的な欲ではないんでしょうね。
そう思うと、崇高な雰囲気さえ、感じなくはないです。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
映画『正欲』について解説しました。
新垣結衣さんの演技が凄まじいですよ。
フェチズムについて関心を深めたい人にもオススメだね。
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