映画『ROCKY』を再鑑賞しました。
大好きな映画です。
私が映画を好きになったきっかけの作品のひとつでもあります。
アメリカンドリーム、古き良きアメリカ映画、愛と青春の物語と認知されることが多い本作ですが、
実は当時のアメリカや映画業界、そしてスタローン自身のことを知った上で観ると、とんでもないメッセージが込められていることに気づけるのです。
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今回の記事では、ROCKYを深く味わうためのポイントを解説します。
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きっとこの映画が大好きになるよ!
スタローンの魂がこもった映画
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先天的に顔の半分が動かないスタローン。
30歳になっても、俳優としての芽は出ていませんでした。
挙句の果てにはセクシービデオに出演。
完全に落ち目の俳優でした。(ROCKYのヒット後、そのビデオはイタリアの種馬という名前で再販されたそうです)
そんなある日、チャック・ウェプナーという無名のボクサーが、モハメド・アリ相手に15Rを闘い抜き、一度はダウンをも奪うという試合を目にします。
これだ!と思ったスタローンは見事な脚本を完成させ、自分を主役にするという条件で売り込むことに成功。
この時点ですでにアメリカンドリームを感じるのは私だけではないはずです。このお話がもう、映画のようですよね。
全米を励ましたROCKY
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ROCKYは1976年に公開され、その当時のアメリカの人々を、大いに勇気づけました。
当時のアメリカン・ニューシネマ
当時のアメリカは、ベトナム戦争の敗戦やウォーターゲート事件、オイルショック、造船業の失速など、敗色ムードに包まれていました。
映画も、そんな時代は暗い作品が多かったそうです。
現実でも、映画館でも、暗いものを観なければならないのか…。
そんな時、ROCKYが公開されます。
アメリカンドリームや、下町の人々を救うROCKYのストーリーはアメリカの人々を励まし、大ヒットとなったのでした。
ROCKYという名前
![](https://assets.st-note.com/img/1657582962556-hfPKAhfQ0N.jpg)
ROCKYという名前は、作中でも語られるように、ロッキー・マルシアノというボクサーから来ています。
また、ロッキー・グラジアノというボクサーもいました。
どちらもイタリア系。
ボクサーといえばROCKYというイメージだったのですね。
二人共大変な人気だったそうです。
また、「哀しみの街かど」という映画では、アル・パチーノ演じる主人公が、犬の名前にROCKYと名付けています。
現在でも、ペットの名前にROCKYは多く観られます。
それだけ、アメリカでは人気のある、ヒーローの名前だと言えます。
ROCKYは復活の物語
![](https://assets.st-note.com/img/1657583039994-Y7yN7MG5Ut.jpg)
ROCKYはただのボクシング映画ではありません。
実は宗教映画なのです。
冒頭はキリスト
ROCKYの冒頭は、キリストの壁画のアップ、教会での賭けボクシングから始まります。
カメラは徐々に下がり、そこには“resurrection”の文字が。
resurrectionは復活を意味する言葉です。
ROCKYはイエス・キリスト
終盤の試合、リングの上で、何度も殴られ、ダウンしても、立ち上がるROCKY。
これも傷つき貼り付けにされるイエス・キリストと同じです。
そして仲間や友達、恋人を救いの道へ導く。
まさにロード。イエス・キリストのメタファーなのです。
衰退・敗退に落ち込むアメリカを「復活」させる。
みんなを勇気づけ、救う。それがROCKYの隠れたテーマです。
愛のあるキャスティング
ROCKYはキャスティングにも愛が溢れています。
スタローンの弟も出演
オープニングでは、焚き火を囲みながら路上で歌う人々が観られます。
メインで歌う男性こそが、スタローンの弟、フランク・スタローンです。
よく観ると似てます。
カフとリンク
ROCKYとエイドリアンのキューピッドとしても活躍する二匹の亀。
名前をカフとリンクといいます。
彼らは何と、2015年の「クリード2」にも出演しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1657582726010-9qzBqKTcUB.jpg)
長生きです!
ランニングシーンのリンゴ
ROCKYで有名なシーンの一つがランニングシーンです。
あのシーンの撮影中、スタローンはまだ売れる前で知名度がありませんでした。
そのため、ボクサーのドキュメンタリー番組だと勘違いされたそう。
![](https://assets.st-note.com/img/1657582831217-W1lb4ACkZc.jpg)
リンゴを渡した男性も映画の撮影だとは知らずに、スタローンへ投げたのだとか。
偶然が生んだ、人情溢れた素晴らしいシーンですね。
どうりで心に刺さるはずです。
まだまだこぼれ話が!
その他にも、まだまだ見どころ満載です。
ROCKYのキャラクターと、制作秘話を紹介します!
モデルはチャップリン?
シルベスター・スタローンはインタビューの中で、
「ROCKYのモデルはチャップリンなんだよ」と語っています。
チャップリンの名作『街の灯』をご存じでしょうか。
チャップリンが盲目の女性を笑顔にするため、あれこれと活躍するお話です。
金策の為、様々な仕事をするのですが、その中でボクサーも演じています。
スタローンは『街の灯』のチャップリンも意識していたそうです。
金欠の結果名シーンに
スケートリンクのシーンはとてもロマンチックですよね。
営業終了後、誰もいない、二人きりのスケートリンク。
当初あのシーンはエキストラを雇う予定でしたが、なにぶん低予算で作られた『ROCKY』。
雇うお金がなかったのです。
しかしながら、その結果、なんともロマンチックで印象に残る名シーンとなったわけです。
また、最後の試合のシーンもちゃんとしたエキストラを雇えず、路上生活者をケンタッキーフライドチキンで雇ったのだとか。
生卵
こちらも有名なシーンのひとつ、寝起きに生卵を飲むシーン。
プロテインの役割としてだけではなく、「強い男」を象徴しているということをご存知でしたか?
当時のアメリカの生卵は食品衛生上、生で食べるのはとても危険な行為とされていました。
そんなことを平気でやってのけるロッキーの豪快さや、向こう見ずなところ、ストイックさを見せるためのシーンでもあるのです。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
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『ROCKY』をより深く味わうための見どころをたくさん紹介しました。
これらを踏まえた上で観る終盤のファイトは格別ですよ…!!
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ワクワクするね!
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