映画の価値観を変えたのはタランティーノの愛だった。
映画「パルプ・フィクション」が、タランティーノ監督の誕生日を記念してリバイバル上映されたので劇場で鑑賞してきました。
やはりすごい作品です!
10年ほど前に観て以来の鑑賞で、おぼろげな部分もあったので、非常に楽しく鑑賞できました。
今回の記事では、映画「パルプ・フィクション」をより深く楽しむための12観点をお伝えします!
①全員がカツラを被っている
「パルプ・フィクション」では、主要キャストのほとんどがカツラを被っています。
ジョン・トラボルタのロン毛も、サミュエル・L・ジャクソンのアフロも、ユマ・サーマンの黒髪もみんなカツラです。
②時系列はバラバラ
ご覧になられた方はご存じかと思いますが、「パルプ・フィクション」は時系列がバラバラです。
当初は、「世にも怪奇な物語」や、黒澤明監督の「夢」のような、いくつかの短編を集めた映画を作ろうとしていたのですが、全部つないだら面白くなるだろうということで繋いだ結果、あのような仕上がりになったそうです。
しかし、上記のカツラの演出や、時系列のバラバラさには、ちゃんとタランティーノ監督なりのねらいがあるのです。
③ありえない人物を描いた
「パルプ・フィクション」は、日本人には少しわかりづらいかもしれませんが、ありえない登場人物を描いたコメディ作品です。
ダークスーツでばりっときめた殺し屋がブラブラ町を歩いたり、落ち目のボクサーが八百長したりといった世界観はフィクションであるというのを象徴するために、カツラや時系列のバラバラさでハッキリと伝えているわけですね。
④ヌーヴェル・ヴァーグから着想
ヌーヴェル・ヴァーグとは、1950年代末にフランスで起こった映画運動で、ゴダールの「勝手にしやがれ」や「気狂いピエロ」のような作品があてはまります。
ヌーヴェル・ヴァーグは、1940年代から50年代頃にアメリカが作っていたフィルム・ノワール(アクション犯罪映画)のようなものをフランス風に作ってみようというものでした。
結果、フィルム・ノワールとは全然違った、独特の世界観の名作が完成しました。
それを逆にアメリカでやってみようというのが、タランティーノ監督の「パルプ・フィクション」なのです。
パルムドール受賞も頷けますね。
⑤「パルプ・フィクション」とは
ヌーヴェル・ヴァーグ的な作品を作るべく、タランティーノ監督が最も参考にしたであろう作品がゴダール監督の「はなればなれに」です。
この映画、最後に「このパルプ・フィクションは…」という口上で締めくくります。
そもそも「パルプ・フィクション」というのは、昔アメリカで売られていた三文小説でした。
ハードボイルドな物語が多く、アメリカの兵士が好んで買っていたそうです。
とても安い値段で販売されていたため、アメリカ兵は、各国へ出兵し、それらを捨てていきました。
その結果、世界中に「パルプ・フィクション」がばらまかれ、それを基にした小説がたくさん生まれます。
日本でもそういった作家さんはたくさんいるそうです。
⑥ジョン・トラボルタのカムバック作
「パルプ・フィクション」はジョン・トラボルタが主要人物として出演しています。
彼は「グリース」や「サタデーナイトフィーバー」の後、落ち目でした。
しかし、「パルプ・フィクション」に出演し、注目を集めることで主演級の俳優にカムバックを果たすことに成功しました。
三枚目や、ハードな役もできることを世に知らしめたわけですね。
⑦あの俳優のブレイクのきっかけ
また、サミュエル・L・ジャクソンは今作がブレイクのきっかけとなりました。
それまでは脇役ばかりだったのです。
「グッド・フェローズ」でも信じられない脇役っぷりでした。
ジュラシックパークは少しマシですが、恐竜にパクっといかれちゃいます笑
今となっては、「アベンジャーズ」でも「スター・ウォーズ」でも非常にいい役を演じています。
銃を構えるシーンはあまりにもカッコよく印象的です。
⑧映画オタクを量産した
「パルプ・フィクション」では、タランティーノ監督のお家芸といえる、ストーリーに関係のない雑談が登場します。
その内容の中には、映画好きのタランティーノ監督にしかわからないようなマニアックなものが多いです。
また、②で説明したように、時系列がバラバラ。
それらの要素が逆に映画の考察欲を駆り立て、90年代以降、ニュー映画オタクを量産することになります。
ちなみに、ボスの絆創膏は、ヴィング・レイムスがプライベートで付けてしまった、ただの剃刀負けだそうです笑
⑨映画監督も量産した
1994年に「パルプ・フィクション」が公開され、90年代末になると、タランティーノ監督に牽引されるように、デビッド・フィンチャーやウォシャウスキー兄弟、ポール・トーマス・アンダーソンなどの監督が、数々のヒット作を公開します。
「パルプ・フィクション」は、それまでのしっかりした王道アメリカ映画の筋ではなく、ひねりのあるストーリーや脚本が受け入れらたというきっかけとなった、映画史になくてはならない作品だといえますね。
⑩映画ネタも満載
⑧で少しお伝えしましたが、「パルプ・フィクション」には映画ネタが満載です。
タランティーノ監督の映画愛や遊び心に溢れています。
ヌーヴェル・ヴァーグ作品はもちろんのこと、「サイコ」や「8 2/1」「シャイニング」、黒澤明監督作品など、様々な映画ネタがありますので、非常に楽しめます。
日本の超マイナー映画のネタも取り入れているそうで、メジャー作も、B級映画もZ級映画も、ぜんぶ同等なんだというメッセージですよね。
映画の垣根を取っ払った、歴史的な映画です。
⑪女性がキュート
タランティーノ監督作品って、本当に女優の魅力を引き出すのがうまいですよね。
「パルプ・フィクション」に出てくる主要な女性キャラはみんなとっても可愛らしいです。
ちょっとメンヘラっぽい感じがまたいいんですよね笑
王道アメリカ映画にはいない雰囲気です。
中でも、最も印象に残るのは、やはりユア・サーマンのダンスシーンでしょうか。
⑫タランティーノは脚フェチ
ユア・サーマンとジョン・トラボルタのダンスシーン。
あのシーンは靴を脱ぐのが不思議ですよね。
実は、タランティーノ監督は変態的なまでの脚フェチだそうです笑
脚をキレイに保つのは中々難しく、進んで見せたがる女性は少ない。
だから、そそるのだそうです笑
序盤のサミュエル・L・ジャクソンとジョン・トラボルタの会話でも、「脚のマッサージなんてしたら殺されても仕方がない」という内容が。
どんだけ脚好きなんだよ笑
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
映画「パルプ・フィクション」を楽しむための12観点をお伝えしました♬
まとめてみて分かりましたが、今の映画の礎となった、超名作ですね。
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コメント
✕ ユア・サーマン → ◯ ユマ・サーマン
ご指摘ありがとうございます。修正しました。