ピクサー・アニメーション・スタジオは、革新的なCGアニメーションと心温まる物語で世界中の人々を魅了し続けています。

今回の記事では、そんな中から、大人も子どもも感動できる特におすすめの5作品をピックアップしてご紹介。

まずはじめに、ピクサーってどういう会社なのか紹介しておくね!
まずはじめに:ピクサーとは
ピクサー・アニメーション・スタジオ(Pixar Animation Studios)は、革新的なCGアニメーション技術と、観る者の心を捉えるストーリーテリングで世界を魅了し続けるアニメーション制作会社です。

その始まりは、1979年にルーカスフィルムのコンピュータグラフィックス部門として設立されたことに遡ります。映画『スター・ウォーズ』シリーズなどで知られるジョージ・ルーカスは、映画製作におけるコンピュータグラフィックスの可能性に着目し、この部門を設立しました。そこで、エドウィン・キャットマルとアルヴィー・レイ・スミスを中心に、最先端のコンピュータ技術を映画製作に応用する研究が進められました。ルーカスフィルムの特殊効果部門であるインダストリアル・ライト&マジック (ILM) における『スター・ウォーズ』の視覚効果開発も、初期のピクサーの技術発展に大きく貢献しました。
1986年、スティーブ・ジョブズがルーカスフィルムからこの部門を買収し、独立した企業「ピクサー」が誕生します。当初はコンピュータのハードウェア開発も行っていましたが、次第にその技術を活かした短編アニメーションの制作で注目を集めるようになります。そして、ジョブズが製作総指揮を務めた世界初の長編フルCGアニメーション映画『トイ・ストーリー』が1995年にウォルト・ディズニー・ピクチャーズの配給で公開され、歴史を塗り替えました。

この成功を機に、ピクサーはディズニーとの協力を深め、数々の傑作を世に送り出してきました。2006年には、ウォルト・ディズニー・カンパニーがピクサーを完全子会社化し、現在に至ります。

ピクサー作品は、子供たちはもちろん、大人も深く共感できるテーマや、細部にまでこだわった美しい映像が特徴です。さあ、そんなピクサーの珠玉の作品の中から、特におすすめの5作品をご紹介しましょう!
トイ・ストーリー

作品概要
- 監督: ジョン・ラセター
- 脚本: ジョス・ウェドン、アンドリュー・スタントン、ジョエル・コーエン、アレック・ソコロウ
- 主な声優:
- ウッディ:トム・ハンクス (日本語吹き替え:唐沢寿明)
- バズ・ライトイヤー:ティム・アレン (日本語吹き替え:所ジョージ)
- アンディ:ジョン・モリス (日本語吹き替え:市村浩佑)
- あらすじ: カウボーイ人形のウッディは、持ち主の少年アンディの一番のお気に入り。しかし、誕生日プレゼントとして最新のおもちゃ、スペースレンジャーのバズ・ライトイヤーがやってきたことで、ウッディの地位が危うくなる。嫉妬したウッディはバズを陥れようとするが、ひょんなことから2人は家を飛び出し、様々な冒険を繰り広げることになる。おもちゃたちの友情と成長を描いた、ピクサー初の長編フルCGアニメーション。
好きな理由
『トイ・ストーリー』は、とにかく映画をオマージュした小ネタが多いんです。『シャイニング』や『エクソシスト』のようなホラーの傑作もそうですし、ルーカスの作品であるスターウォーズをオマージュしたシーンもいくつかあります。
そこがまず、大人も楽しめるように作ってあるように思いますし、作り手が楽しみながら作ったんだろうなという遊び心が垣間見えるんですよね。観ていて楽しい気分になります。
また、おもちゃが実は人知れず動いたり話したりしているという設定もとっても可愛くってワクワクする。『トイ・ストーリー』ができるまで、おもちゃが動くっことてホラーの領域からなかなか出にくかったんじゃないかと思うんです。(本作もちょっとホラー演出ありますが)そこが画期的だし、全編コンピューターグラフィックスだからこそできた偉業なのではないかと。
続編のどれも大好きですが、やはり『トイ・ストーリー』がそういった点も踏まえて一番かなと思います。
こぼれ話
- ピクサーにとって初の長編映画であり、世界で初めて全編がコンピュータグラフィックスによって制作された長編映画です。
- 当初、ウッディのキャラクターはもっと意地悪な性格として描かれていましたが、観客からの共感が得られにくいと判断され、最終的に現在の温厚な性格に変更されました。
- バズ・ライトイヤーの名前は、アポロ11号で月面に降り立った宇宙飛行士、バズ・オルドリンにちなんで名付けられました。
ファインディング・ドリー

作品概要
- 監督: アンドリュー・スタントン
- 脚本: アンドリュー・スタントン、ヴィクトリア・ストラウス
- 主な声優:
- ドリー:エレン・デジェネレス (日本語吹き替え:室井滋)
- マーリン:アルバート・ブルックス (日本語吹き替え:木梨憲武)
- ニモ:ヘイデン・ローレンス (日本語吹き替え:菊地慶)
- ハンク:エド・オニール (日本語吹き替え:上川隆也)
- あらすじ: 前作『ファインディング・ニモ』の1年後、重度の忘れんぼうなナンヨウハギのドリーが、ふとしたきっかけで幼い頃の家族の記憶を思い出す。家族を探すため、マーリンとニモと一緒に旅に出るドリー。旅の途中で出会う個性豊かな仲間たちとの交流を通して、自身の記憶の秘密と、家族の愛の物語が明らかになっていく。
好きな理由
『ファインディング・ニモ』のスピンオフ的なこちらですが、感動度合いは遥かに大きかったんですよね。
ニモは身体的なアドバンテージを持つキャラクターですが、ドリーは知的なアドバンテージ。
そんな彼女が冒険を通して大切なことを思い出すという、涙無くしては観られない傑作だと思います。
擬人的なキャラクターを主軸にしたピクサー作品の中では、1つのキャラクターにフォーカスした、最もドラマチックなストーリーなのではないでしょうか。
単なるスピンオフという認識でまだ観ていない人はもったいないのでぜひ。
こぼれ話
- 前作『ファインディング・ニモ』から13年ぶりの続編となります。
- ドリーの忘れっぽい性格は、制作チームが彼女の家族を探す物語を思いついたきっかけの一つとなりました。
- 劇中に登場する海洋生物研究所の建物は、実際にカリフォルニア州モントレーにあるモントレーベイ水族館を参考にしています。
ソウルフル・ワールド

作品概要
- 監督: ピート・ドクター
- 脚本: ピート・ドクター、マイク・ジョーンズ、ケンプ・パワーズ
- 主な声優:
- ジョー・ガードナー:ジェイミー・フォックス (日本語吹き替え:さかいゆう)
- 22番:ティナ・フェイ (日本語吹き替え:川栄李奈)
- ムーンウィンド:グラハム・ノートン (日本語吹き替え:屋比久知奈)
- あらすじ: ジャズピアニストを夢見る音楽教師ジョー・ガードナーは、ついに憧れのジャズクラブでの演奏のチャンスを掴む。しかし、その直後に予期せぬ事故に遭い、魂だけの姿になって「生まれる前の世界」へと迷い込んでしまう。そこで彼は、まだ人間として生まれることを拒む魂「22番」と出会い、共に人生の意味や「きらめき」を探す旅に出る。
好きな理由
コロナ禍で劇場公開されなかった本作。しかもかなり主人公が黒人のオッサンで、ジャズもテーマの一つであるという、かなり大人向けの作品なんですね。
そういった理由から、観たことがある人は少ないんじゃないかなと思ってます。
でもね、傑作ですよ。
私はコロナ明けに本作が特別に映画館で上映された機会に鑑賞したんですが、泣いちゃいましたね。
『PERFECT DAYS』に通ずるような深いテーマになってます。
日常に感謝したくなる。そんなお話で、しかもこれがコロナ禍で公開されなかったというのがまた拍車をかけてます。
こぼれ話
- 本作は、ピクサー作品で初めて黒人キャラクターが主人公を務めました。
- 「生まれる前の世界」のデザインは、抽象的な概念を視覚化するために多くの試行錯誤が重ねられました。
- 音楽は物語の重要な要素であり、ジャズの世界観が作品全体に深く関わっています。
モンスターズ・インク

作品概要
- 監督: ピート・ドクター
- 脚本: アンドリュー・スタントン、ダニエル・ガーソン
- 主な声優:
- サリー(ジェームズ・P・サリバン):ジョン・グッドマン (日本語吹き替え:石塚英彦)
- マイク(マイク・ワゾウスキ):ビリー・クリスタル (日本語吹き替え:田中裕二)
- ブー:メアリー・ギブス (日本語吹き替え:井上愛理)
- あらすじ: モンスターシティに住むモンスターたちは、人間の子供たちの「悲鳴」をエネルギー源として暮らしている。モンスターズ・インク社のエリート社員である、毛むくじゃらのサリーと、彼の相棒で一つ目のマイクは、子供たちを怖がらせる「怖がらせ屋」として活躍していた。しかし、ある日、人間の女の子「ブー」がモンスターの世界に迷い込んできてしまう。ブーとの出会いによって、モンスターたちの世界は大きく変わっていく。
好きな理由
『モンスターズ・インク』の魅力は、何といっても可愛さですね。
モンスターたちも、人間のブーも、とにかく可愛い。
というのも、ブーがサリーの毛並みを見て「ニャンニャン」と表現するんですが、サリーの毛がとにかくサラサラ動くんです。この巧みなCGはお見事。素晴らしいですね。そういった細部までこだわったアニメーション技術があるからこそ可愛さが倍増するんだと思います。
そして、こちらもまた、『トイ・ストーリー』同様アイデアが面白い。やっぱりどこかピクサー作品って、ホラー風味がありますよね笑
アイデアを活かしたオチも最高です。
こぼれ話
- サリーの毛並みを表現するため、当時のCG技術では非常に高度な計算が求められました。彼には約230万本の毛が描かれています。
- ブーの声優メアリー・ギブスは、監督のピート・ドクターの娘であり、彼女の自然な演技が作品に温かさをもたらしています。
- 映画の終盤で、サリーとマイクがブーを怖がらせる代わりに笑わせるシーンは、当初の脚本にはなく、制作途中で追加されたアイデアです。
マイ・エレメント

作品概要
- 監督: ピーター・ソーン
- 脚本: ピーター・ソーン、ジョン・ホーバー、キャット・リッケル
- 主な声優:
- エンバー・ルーメン:リア・ルイス (日本語吹き替え:川口春奈)
- ウェイド・リップル:マムドゥ・アチー (日本語吹き替え:玉森裕太)
- あらすじ: 火・水・土・風の4つのエレメントが暮らす都市エレメント・シティ。火の家族のエンバーは、感情的になりやすく、燃え盛ることで周りを驚かせてしまう。ある日、水の青年ウェイドと出会い、正反対の性質を持つ二人は次第に惹かれ合っていく。しかし、エレメント・シティには「異なるエレメントは交われない」というルールがあり、二人の恋は様々な困難に直面する。
好きな理由
こちらも映画館で観たんですが、泣いちゃいました。
実はこの作品って、実際のニューヨークを表現しているんですね。多様な人種を、属性に置き換えて表しています。
監督のピーター・ソーンは韓国にルーツを持つアジア系で、白人女性と結婚しています。それを映画に投影しているというわけなんです。
そういった点を踏まえて、冒頭2分の移民の歴史や、それぞれの属性が表す文化や特徴に注目するととっても面白いですよ。
こぼれ話
- 監督のピーター・ソーン自身の移民としての経験が、物語のインスピレーションとなっています。異なる文化や背景を持つ人々が共存する様子が描かれています。
- 各エレメントの表現には、最新のCG技術が駆使されており、特に火と水の動きは非常にリアルに描写されています。
- 映画の背景には、ニューヨークのような多文化都市の雰囲気が取り入れられており、様々なエレメントが暮らす街並みが細かく描かれています。
結び
最後までお読みいただきありがとうございます。
いかがでしたでしょうか?今回は、数あるピクサー映画の中から、特におすすめの5作品をご紹介しました。
どの作品も、個性豊かなキャラクターたちと、心に響くストーリーが魅力です。
ぜひ、この機会にピクサーの素晴らしい世界に浸ってみてください。
あなたの心に残る、新たな一本が見つかるかもしれません。

子どもにも大人にも超おすすめです!大人が感動する部分が、きっと子どもたちにも伝わるはず。

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