『破墓 パミョ』韓国の因習や畏怖がよく分かる興味深いホラー

映画

韓国のホラー映画『破墓 パミョ』を鑑賞しました。

私は最近、国による恐怖の捉え方の違いや万国共通の因果関係などに関心が高いんです。

そういう点において、非常に楽しめる作品でした。

bitotabi
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作中に登場する日本では描かれにくい儀式や、気になったポイントについて解説します。

ダニー
ダニー

ネタバレありだからまだ観てない人は気をつけてね~。

作品について

『破墓 パミョ』は2024年に公開された作品です。

監督・脚本は『プリースト 悪魔を葬る者』のチャン・ジェヒョン、出演はチェ・ミンシク、キム・ゴウン、ユ・ヘジン、イ・ドヒョンです。

鑑賞時、随分とこのオッサンが目立つ感じだなと思ったら、チェ・ミンシクは『オールド・ボーイ』で主演を務めた名優だったんですね。恥ずかしながら認知出来てなかったです…。全然気づかなかった。韓国人の友だち曰く、「韓国No.1」だそうです。ユ・ヘジンもよく観る俳優ですが、彼や若手を押しのけて映されるのが納得しましたし、確かに演技も貫禄も抜群でした。今までは韓国俳優といえばソン・ガンホでしたが、考えを改めないといけないかも。

公式サイトのあらすじはこちらです👇

 巫堂ファリム(キム・ゴウン)と弟子ボンギル(イ・ドヒョン)は、跡継ぎが代々謎の病気にかかるという奇妙な家族から、桁違いの報酬で依頼を受ける。すぐに、先祖の墓が原因だと気づき、お金の臭いを嗅ぎつけた風水師サンドク(チェ・ミンシク)と葬儀師ヨングン(ユ・ヘジン)も合流する。やがて、4人はお祓いと改葬を同時に行なうが、掘り返した墓には恐ろしい秘密が隠されていた・・・。

https://kadokawa-kplus.com/pamyo-movie/index.html



解説①韓国と日本のギャップ

本作はホラー作品としてストレートに怖いという点やキャストの演技の巧さなどだけでも優れた作品だと言えます。

しかし、最も興味を引かれたのは韓国の死者に対する儀式や風習、怪異に対する考え方の日本との違いを知ることができる点です。

終盤に登場するセリフが特に。

魂と肉体が一体じゃないから霊魂は人に勝てない 
人や動物の魂がものに憑き一緒に進化した存在が精霊 
これは韓国にあってはならないものだ

というものですね。で、結局この怪異の元凶は日本にあったということが分かるわけです。

韓国はキリスト教の信仰が厚い国であることも起因しているのか、「鬼や亡霊が憑りつく」というのが考え方として根深い様子でしたね。エクソシズムと同じようなシステムでしょう。

でも、日本は古来から精霊信仰があります。自然にあるものや人工物にも魂が宿るという。木々や山に神々が住んでいるという考え方は割と自然。『もののけ姫』に違和感を覚える人は少ないと思います。他にも「唐笠おばけ」とか「化け草履」とか。そういうのも特に引っかかることなく受け入れやすいという文化がありますよね。

これがお隣の韓国では結構違うんだなというのが面白かったです。

で、今回その魂が宿っていたのは「武将の甲冑・生首」だったわけですがそのあたりの解説を次項でお伝えしていきましょう。



解説②作中に出てきた気になるワード

まず最も気になった人が多いであろう「武将は誰なのか」ですね。

作中のセリフで、百足のように後退することなく進め!って感じのセリフがあり、甲冑もよく見ると百足が付いてるんですね。これが禍々しさを一層深めているんですが、このあたりから察するに「伊達成実」がモデルとして最も有力な感じがします。

朝鮮出兵をした「加藤清正」「石田三成」も有力候補です。

あるいは時代は違えど日本三大怨霊として名高い「平将門」もありそうですね。つよつよ生首といえば彼ですから。

このあたりの歴史上の人物たちをモデルにしつつミックスして作った創作キャラクターだと思います。



続いてはキツネの陰陽師として名前が挙がっていた「むらやまじゅんじ」という人物。

これもモデルがいます。

村山智淳という人は日本統治時代の朝鮮で朝鮮総督府が作成した朝鮮社会や民俗文化に関する数多くの報告書を書き、編纂に関わった日本の宗教学、民俗学研究者だそうです。後に出家して日蓮宗の僧侶となったというところまでそっくりなんですよ。

じゃああんなにやべえことをしてたのかというとそこは多分違ってて、でも植民地政策として様々な角度から研究をしていたという点から、よく思っていない人もいるそうです。

本当のところがどうなのか…興味がある人は調べてみてください。もし知ってる人がいたらぜひ教えてください。

あとは「馬の血」が頻繁に登場して役にたってましたね。

ちょっと調べてみたんですが、馬の血や白い馬というのは、中国や朝鮮、日本でも特別視されてきたそうです。「挿血」という血を飲む儀式や、日本でも昔から白い馬の夢をみるとよいとか。陰陽五行説あたりが由来っぽいですね。縁起物みたいです。日本では昔神々への貢物として馬を差し出すこともあったという話もありますね~。

今日の映学

最後までお読みいただきありがとうございます。

『破墓』について解説をお届けしました!

bitotabi
bitotabi

オカルト好きの人は本作がめっちゃ勉強になったんじゃないでしょうか。私はそうでした!こういう映画大好きです。

ダニー
ダニー

怖いけどね…。

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