『ナポレオン』リドリー・スコットからキューブリックへ捧ぐ

映画

フランス、陸軍、ジョゼフィーヌ…

映画『ナポレオン』を鑑賞しました。

本作はタイトルから分かるようにあのナポレオン・ボナパルトの史実を描いた作品です。

監督は『ブレード・ランナー』『エイリアン』『最後の決闘裁判』『ハウス・オブ・グッチ』など、今なお傑作を生み続ける巨匠リドリー・スコット

主演のナポレオンは『JOKER』『グラディエーター』のホアキンフェニックス。妻のジョゼフィーヌをヴァネッサ・カービーが演じています。

150分を越える大作なのですが、むしろ足りないくらいに感じました…。

面白いです。

ダニー
ダニー

キューブリックと何の関係があるの?

bitotabi
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まずはキューブリックと『ナポレオン』の関係から解説していこう!

キューブリックと『ナポレオン』

『時計仕掛けのオレンジ』や『2001年宇宙の旅』、『シャイニング』で知られる、故スタンリー・キューブリック。

このラインナップを見れば分かるかと思いますが、もの凄い映画監督です。

bitotabi
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世界一の監督だと思っています。

キューブリックは、一つのジャンルにつき、一つの作品しか撮らないという特徴があるんです。

SFは『2001年宇宙の旅』、ホラーは『シャイニング』、社会派ドラマは『時計仕掛けのオレンジ』といったところでしょうか。

では、いわゆる歴史物に何を撮ったのかというと、『バリー・リンドン』という作品なんです。

「バリー・リンドン」の主人公バリーは、農民出身の若者です。

偉人ではありません。

当初キューブリック監督は、歴史物を撮るにあたって、そのテーマを皇帝ナポレオンにしようと考えていました。

しかし、予算や権利の都合上ナポレオンをテーマにすることは叶わず、結局「バリー・リンドン」が生まれたわけです。

しかし、ナポレオンを撮影するために準備した資料はそのまま「バリー・リンドン」に役立てることができ、細部までこだわった作品に仕上がっています。



リドリー・スコットが継承

リドリー・スコットは、キューブリックが一番好きな映画監督だと公言しています。

そのため、『ナポレオン』には、『バリー・リンドン』を彷彿とさせるシーンがいくつか登場します。

細部までこだわった衣装(バリーリンドンはアカデミー賞で撮影、衣装デザイン、美術監督、編曲の4部門を受賞しています)だったり、ロウソクを使った演出だったり、肩と肩をつけて闘う歩兵戦の描き方だったり、戴冠式の絵画的表現だったりは、本当にそっくりで、リスペクトをこめていることが伺えます。

キューブリックファンとしては、『ナポレオン』を監督したのが、リドリー・スコットでよかったなあと感じますね。

ダニー
ダニー

ここから先は見どころを紹介するよ!

迫力の戦場シーン

本作では、6つの大規模な戦場シーンが盛り込まれています。

とにかく迫力や臨場感がもの凄い。

これはお金かかってますよ~…。

大砲も何発も飛ばしますからね。

大砲や銃撃のような、ロングショットから、歩兵戦のアップまで、丁寧に作られています。

冒頭のギロチン台もそうなんですが、当時の武器の切れ味とかを加味した、リアルなゴア表現も味わい深いものがありました。

 



ホアキンが演じる皇帝ナポレオン

ナポレオン・ボナパルトといえば、端正なルックスの印象がありますよね。

じゃあ、キアヌ・リーヴスとかジュード・ロウあたりでもよさそうなものです…笑

でも、私はホアキンのナポレオンはかなりハマっているように思いました。

なぜなら、二面性を演じるのが抜群に上手いからです。

『JOKER』では、目立たない男が悪のカリスマへと変わっていく様を見事に演じたホアキン。

今回の『ナポレオン』では、戦勝を収め続ける冷徹な将軍としての一面と、妻に対するやや情けない人間らしい一面を演じていました。

時にゾッとし、時に「ナポレオンも人間なんだな」と感じさせる。

bitotabi
bitotabi

正直、JOKERとナポレオンという強烈な二つのキャラクターを演じてしまった彼の精神状態が心配です笑

妻 ジョゼフィーヌ

『ナポレオン』を観て意外だったのは、ナポレオンと、妻ジョゼフィーヌのドラマをかなりしっかり描いていた点です。

当時のフランスは男性主義社会だったのですが、ナポレオンは妻に対して強く出られない、ちょっと情けない部分があったように描いています。

ジョゼフィーヌは、貴族の娘で、エキゾチックな美貌の持ち主だったそうです。

大変な浪費家で、貴族とは名ばかりで、かなり生活は困窮していたのだとか。

1779年に16歳の若さでボアルネ子爵と結婚するも、不仲が原因で4年後の1783年に離婚。

後にボアルネ子爵は1794年にフランス革命の中ギロチン処刑されてしまい、それが原因となりジョゼフィーヌ自身も投獄されます。

しかし、ロベスピエールが処刑されたことにより、同年8月3日に釈放されました。

bitotabi
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映画でもそのあたりの描写があるのはそのためですね。

その後、生活のために総裁政府のポール・バラスの愛人となり、やがて社交界の花形となって、「陽気な未亡人」と呼ばれたような人物です。

ポール・バラスは映画でも登場します。そういえば、ジョゼフィーヌの初登場シーンは二人が芝居をみながらイチャイチャしてました。

映画に登場した浮気や新聞掲載も実際にあった出来事だそうで、ジョゼフィーヌは、初めの離婚騒動あたりから徐々にナポレオンを真摯に愛するようになっていきますが、反対にナポレオンのジョゼフィーヌに対する熱烈な愛情は冷めていき、他の女性達に関心を持つようになっていったそうです。

ですが、離婚後も二人は最後まで良き話し相手であり、ナポレオンの後妻マリア・ルイーザが嫉妬するほどだったとか。

映画ではそんなジョゼフィーヌをヴァネッサ・カービーが演じています。

当初はジョディ・カマーが起用される予定だったそうですが、私はヴァネッサ・カービーのジョゼフィーヌ、素敵だったと思います。

今日の映学

最後までお読みいただきありがとうございます!

映画『ナポレオン』の解説や見どころをお伝えしました。

bitotabi
bitotabi

リドリー・スコットからキューブリックへ捧ぐような、力強くも美しい映画です。

ダニー
ダニー

戦場シーンや衣装、キャストも見ごたえ抜群だよ!

 

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