観客の心をグッと掴んで離さない「バディ」って、いますよね。
笑いあり、涙あり、ハラハラドキドキの共闘ありで、彼らがいるだけで物語は最高に面白くなります。お互いを補い合い、共に成長し、困難を乗り越える「バディ」の姿は、私たちに友情や絆の素晴らしさを教えてくれます。

今回は、輝く5組のバディに注目!

異色のヒーローコンビから、ロックを愛する親友、異星人監視組織の相棒、復讐の旅を共にする師弟、そして宿敵から盟友になったボクサーたちまで、ジャンルを超えて愛される彼らの物語を深掘りしていきましょう。
1. 『キック・アス』:ヒット・ガールとキック・アス

映画の概要
アメコミヒーローに憧れる高校生デイヴ(キック・アス)が、自作スーツで街の平和を守ろうと奮闘する物語 。しかし、彼はボコボコにされ、無痛症という後遺症を負います。そんな彼を救ったのは、訓練された超絶強い少女ヒット・ガールと、その父ビッグ・ダディでした 。後半は過激なバイオレンスとダークユーモアが融合した異色ヒーローアクションへと変貌します 。
二人の関係性:異色のヒーローと少女の成長と共闘
キック・アスことデイヴは、スーパーパワーがないのに正義を信じるオタク高校生 。一方、ヒット・ガールことミンディは、父親に訓練された「本物」のプロの殺し屋少女です 。最初は素人ヒーローとプロの殺し屋という非対称な関係でしたが、互いに影響を与え合い、最終的には弱点を補い合って最高のバディへと成長していきます。
こぼれ話:クロエ・グレース・モレッツのアクション秘話
ヒット・ガールを演じたクロエ・グレース・モレッツは、当時11歳(公開時13歳)ながら、7ヶ月間の過酷なトレーニングを積み、危険なシーンの90%を自ら演じました 。バタフライナイフを両手で扱えるほど上達したという逸話も 。彼女の暴力描写は「不謹慎そのもの。でも だからこそ異様ほど面白くて」と評され 、そのギャップが魅力です 。共演のニコラス・ケイジとはすぐに打ち解け、和やかな現場だったそう 。
2. 『ウェインズ・ワールド』:ウェインとガース

映画の概要
NBCの人気コメディ番組「サタデー・ナイト・ライブ」から生まれた『ウェインズ・ワールド』は、ヘビメタ好きのウェインとガースが自宅地下室から配信する手作り番組がメジャーデビューのチャンスを掴む物語 。クイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」などヒット曲満載で、「エクセレント!」などのセリフも流行しました 。
二人の関係性:ロックと友情が織りなすカルト的魅力
ウェインとガースは、ヘビメタとポップカルチャーをこよなく愛するかけがえのない親友です 。ウェインがホスト、ガースが的確なツッコミ役という絶妙なバランスで、彼らの絆は共通の情熱から生まれた「魂の兄弟」のようなものです。メジャーデビューの話で友情が試される場面もありますが 、最終的には自分たちの「流儀」を貫き、真の友情を再確認します。
こぼれ話:伝説の「ボヘミアン・ラプソディ」シーンと舞台裏
車内で「ボヘミアン・ラプソディ」を大熱唱するヘッドバンギングシーンは有名ですが、マイク・マイヤーズとダナ・カーヴィーは首を痛め、鎮痛剤を要求するほど嫌がっていたそう 。また、マイヤーズとカーヴィーの間には長年の確執があったと報じられましたが、近年では和解し、SNLのイベントで共演しています 。スクリーン上の相性は、彼らのプロ意識とコメディの才能の証ですね。
3. 『メン・イン・ブラック』:エージェントJとエージェントK

映画の概要
『メン・イン・ブラック』(MIB)は、地球に生息する異星人を監視し、その存在を隠蔽する極秘組織「MIB」のエージェントたちの活躍を描くSFアクションコメディ 。ニューヨーク市警の刑事ジェームズ・エドワーズ(エージェントJ)が、ベテランエージェントKにスカウトされ、異次元の世界に足を踏み入れます。奇想天外な異星人やユニークなガジェットが魅力です 。
二人の関係性:異星人監視組織のベテランとルーキー、その絆の深まり
エージェントKは無口でクールなベテラン、エージェントJはおしゃべりなルーキー 。最初はKがJを厳しく指導する師弟関係でしたが、Jの型破りな発想がKに影響を与え、Kのプロ意識がJを成長させます。特に『MIB3』では、JがKの過去を救うためにタイムスリップすることで、二人の関係は深い信頼と家族のような絆へと発展し、「必然」のバディであることを強調します 。
こぼれ話:ウィル・スミスとトミー・リー・ジョーンズの化学反応
ウィル・スミス(J)とトミー・リー・ジョーンズ(K)のコンビは、その対照的なキャラクターと絶妙な掛け合いが「化学反応」を生み出したと評されます 。『MIB3』撮影時点で16年の付き合いで、ウィル・スミスは「トミーは僕のことが大好きなんだ」と語っています 。撮影中、ウィル・スミスがおならをしてトミー・リー・ジョーンズを困らせたという親密なエピソードも 。トミー・リー・ジョーンズは日本の缶コーヒーCMでも有名ですね 。
4. 『ジャンゴ 繋がれざる者』:ジャンゴとドクター・キング・シュルツ

映画の概要
クエンティン・タランティーノ監督の『ジャンゴ 繋がれざる者』は、南北戦争直前のアメリカ南部が舞台。奴隷のジャンゴがドイツ人賞金稼ぎドクター・キング・シュルツと出会い、自由と離れ離れになった妻の奪還を目指す壮絶な旅を描きます 。奴隷制を嫌悪するシュルツはジャンゴを解放し、相棒として賞金稼ぎの技術を教え込みます。
二人の関係性:復讐と解放を求める旅の師弟関係
奴隷のジャンゴと、奴隷制度を嫌悪する賞金稼ぎドクター・キング・シュルツは、シュルツがジャンゴを解放し、賞金稼ぎの技術を教える師弟関係から始まります 。ジャンゴの目的である妻の奪還をシュルツが手助けすることで、二人の絆は深まります。シュルツの犠牲によってジャンゴは真の自由を得て、師の遺志を継ぎ復讐を果たすことを決意します 。
こぼれ話:レオナルド・ディカプリオの熱演と流血エピソード
バディとは関係ありませんが、残忍な農園主カルビン・キャンディを演じたレオナルド・ディカプリオは、演技に熱中しすぎてテーブルを叩きつけた際に手を負傷し、ガラスの破片が刺さって流血したという逸話があります 。彼は役を崩さずに演技を続け、その生々しい流血シーンは本編でもそのまま使用され、映画のリアリティを高めています 。タランティーノ監督もディカプリオのモノローグを「天才である証だね」と評価しています 。
5. 『ロッキー3』:ロッキーとアポロ

映画の概要
『ロッキー3』は、世界チャンピオンとなったロッキー・バルボアが、強敵クラバー・ラングの挑戦を受け、闘争本能を失い苦悩する姿を描きます 。親友ミッキーの死でどん底に落ちたロッキーに、かつての宿敵アポロ・クリードがトレーナーとして手を差し伸べます。アポロはロッキーに「ハングリー精神」を取り戻させるため、徹底的なトレーニングを施します 。
二人の関係性:宿敵から最高の盟友へ、リングを超えた友情
ロッキーとアポロは、かつて世界チャンピオンの座を争った宿敵でした 。しかし、『ロッキー3』では、ミッキーを失い落ち込むロッキーに、アポロがトレーナーとして手を差し伸べます 。アポロはロッキーの弱点を強化し、「闘争本能」を取り戻させることで、彼を真のチャンピオンへと導きます 。彼らの関係は、ライバルが互いを高め合う「盟友」へと昇華する、リングを超えた深い友情の形を示しています。
こぼれ話:アポロの入場シーンとスタローンが描いた死闘
映画の中ではライバルであり、後に親友となる関係を演じたスタローンとカール・ウェザースですが、実際の二人は非常に良好な関係でした。2024年2月にカール・ウェザースが亡くなった際、シルベスター・スタローンは自身のInstagramに追悼動画を投稿し、彼を「最愛の兄弟」「人生と成功に不可欠な存在だった」と語り、深い悲しみを表明しています。
撮影中もお互いを尊重し、良い関係を築いていたようです。映画の中の熱いライバル関係は演技によるもので、実際は固い友情で結ばれていたと言えるでしょう。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます。
今回ご紹介した5組のバディたちは、ジャンルや背景は違えど、私たちに「絆」の尊さを教えてくれました。
彼らは単なる物語の登場人物ではなく、困難を共に乗り越え、互いの人生に深い影響を与え合う存在です。
信頼、忠誠心、そして「選ばれた家族」としての深い愛情が、彼らの関係性にはぎゅっと詰まっています。
映画のバディたちがこれほど愛されるのは、私たちが皆、人生という旅路で、真に理解し、支え合い、共に冒険できる相手を求めているからでしょう。

スクリーンに映し出される彼らの姿は、どんなに異質な組み合わせでも、分かち合うことで私たちはより強く、より豊かになれるという、希望に満ちたメッセージを伝えてくれますね。

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