サンタクロースはなぜ最強の「呪い」なのか? キリストも仏陀も超えた、その驚くべき影響力を考察する

ホラー映画

オカルトとは何か? その定義は曖昧です。しかし、その「力」の源泉を紐解いていくと、ある一つの共通項が見えてきます。それは、「信心」です。

日本の都市伝説に目を向けてみましょう。口裂け女は、昭和の時代に集団下校や引きこもりといった社会現象を巻き起こすほどの力を持ち、トイレの花子さんは、何十年も世代を超えて子どもたちを震え上がらせてきました。

さらに、世界中で同じ夢を見たという都市伝説「This man」は、インターネットという新たなメディアを得て、多くの人々の心をざわつかせました。

これらオカルトが持つ影響力は、単なる怖い話の面白さだけでは説明がつきません。その背後には、「信じる人が多いほど、その力が強くなる」という、極めてシンプルな真理が隠されているからです。

そして、この「信心」の力にこそ、オカルトと宗教の共通点があるのです。

例えば、最近のアニメ・漫画で「チェンソーマン」や「ダンダダン」がありますね。

「チェンソーマン」は人々が恐いと思うものほど、悪魔としての力が強い。だから銃や爆弾、刀の悪魔なんかは強いわけです。

「ダンダダン」でも同様に、オカルト話として古株のターボババアはとっても強く、比較的新しく知名度も低いアクロバティックサラサラは格下のように扱われる節があります。

bitotabi
bitotabi

つまり、力の強さはそのストーリーよりも「知名度」や「支持率」、「親しみ」、「年数」これらと繋がっているのではないかと思うんです。

ダニー
ダニー

信じている人が多いほど、そのエネルギーは強くなるってことだね。「モブサイコ100」でも言ってたな。


宗教とオカルトに共通する「個人の理性を超える力」

人々に支持され、信じられ、大切にされているものといえば、宗教です。

宗教は、その起源において、人々の行動をコントロールする側面を強く持っていました。イスラム教が豚肉を禁じ、キリスト教が婚前交渉や避妊を制限した背景には、当時の環境における集団の衛生維持や人口増加といった、社会を統制するための合理的な理由があったとされます。

しかし、宗教の力が単なるルールブックに留まらなかったのは、それが「信じる人が想像を絶するほど増えた」からです。人々の信仰が集まることで、教えは合理性を超え、絶対的な規範へと昇華されていきました。

そして、その信仰は「個人の理性を超える力」を獲得します。

たとえば、科学的な証拠がなくても教義を信じ、自らの命すら捧げることさえ厭わない信者が生まれます。これは、個人の理性や損得勘定をはるかに超えた、集団の「信心」が持つ根源的な力です。

この「信心」の連鎖は、対象を神格化します。

これは、テレビに出るようになった芸能人が、多くの支持を集めるうちに、より美しく、より輝いて見えるようになる現象と酷似しています。最近、この芸能人、カッコよくなったなとか、キレイになったなと感じた経験、ありますよね。

支持という集合的なエネルギーは、その対象を「絶対的に正しい、善なるもの」だと無意識のうちに認識させる力を生みます。

信じる人や支持する人が増えれば増えるほど、その共感の度合いも比例し、物語は「あるかもしれない」という現実味を帯びていきます。

これが、口裂け女が多くの人々を震え上がらせた理由であり、花子さんが語り継がれてきた理由なのです。

ダニー
ダニー

じゃあ、この「信心」という観点から見たとき、最も強力な存在は一体誰なんだろう?

bitotabi
bitotabi

私は、サンタクロースこそが最強の「呪い」であると考えます。


サンタクロースが持つ、3つの強力な「呪い」の要素

サンタクロースは、オカルトや宗教が持つ力をすべて包含し、それをさらに洗練させています。

(1) 宗教を超越した「信心」の力

サンタクロースの起源は、キリスト教の聖人「聖ニコラウス」にあります。しかし、彼の物語は、キリスト教の枠組みを超え、世界中の文化に浸透しました。

日本のような仏教や神道の国々でも、彼はクリスマスという文化と共に熱狂的に迎え入れられています。

これは、キリスト教やイスラム教といった特定の教義に縛られた宗教の「信心」を、その信者数において凌駕している可能性を示しています。特定の宗教を信じない人々でさえ、「子どもに夢を見させてあげたい」「サンタクロースの物語を共有したい」という強い願望によって、その信仰に加担します。

また、宗教が時に引き起こす排他的な対立とは無縁であることも、彼の強みです。サンタクロースは「信じること」そのものが目的であり、人々を恐怖ではなく、希望や喜びといったポジティブな感情で結びつけます。この寛容性と普遍性こそが、彼の「信心」をより広範なものにしているのです。



(2) 商業と一体化した「呪い」の持続性

多くの都市伝説は、時間が経つにつれて忘れ去られる運命にあります。しかし、サンタクロースの「呪い」は違います。それは、商業という強固なシステムと一体化しているからです。

「良い子にはプレゼントがもらえる」という物語は、毎年クリスマスシーズンになると、玩具メーカーやデパートによって大々的に宣伝され、具現化されます。子どもたちはサンタクロースに手紙を書き、プレゼントを待ちます。親は子どもの笑顔のためにプレゼントを購入します。



この一連の商業活動が、サンタクロースという物語を毎年更新し、そのリアリティを強固にしています。商業は、サンタクロースの「呪い」を一時的なブームではなく、持続可能で半永久的なシステムへと昇華させました。サンタクロースは、人類史上最も成功した「商業的宗教」と呼べるかもしれません。

(3) 「善行」を促す道徳的コントロール

サンタクロースの「呪い」は、子どもたちの行動規範にまで影響を及ぼしています。

「良い子にしていれば、サンタさんがプレゼントを持ってきてくれる」という約束は、シンプルながらも強力なルールです。このルールは、親の命令をはるかに超え、子どもたちに自律的な行動を促します。

子どもたちは「サンタさんが見ている」という意識のもと、親に言われなくても部屋を片付けたり、弟妹と仲良くしたりするようになります。これは、宗教が倫理観や道徳を教え込むのと全く同じ機能であり、サンタクロースという超越的な存在が、子どもたちの行動に影響を与えている証拠です。サンタクロースは、恐怖ではなく、希望というポジティブな感情を利用して、人々に善行を促す、極めて洗練された道徳的コントロールシステムなのです。


まとめ なぜサンタクロースが最強なのか?

最後までお読みいただきありがとうございます。

口裂け女の「呪い」は恐怖を原動力に、人々を震え上がらせ、行動を制限しました。一方、サンタクロースの「呪い」は希望を原動力に、人々を結びつけ、行動を促します。

サンタクロースの最大の強みは、「信じたい」という人々の普遍的な願望に支えられていることです。子どもたちは夢やプレゼントを信じ、大人は子どもの笑顔や家族の絆を信じ、その物語を語り継ぎます。この「信じたい」というポジティブなエネルギーが、彼の「呪い」を誰からも拒絶されない、最強の力へと押し上げたのです。

bitotabi
bitotabi

特定の宗教を超え、商業と一体化し、道徳をコントロールする。サンタクロースは、私たち現代人が作り上げた、最も強力で、最も影響力のある「呪い」なのかもしれません。

ダニー
ダニー

確かに、これほど支持率の高い存在はいないかもしれないね…。

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