『あのコはだぁれ?』レビュー:Jホラーの巨匠・清水崇監督が仕掛ける“呪怨”の系譜と超絶バッドエンド

映画

清水崇監督の最新作『あのコはだぁれ?』を鑑賞しました。

『呪怨』シリーズでJホラーブームを牽引してきた巨匠の作品だけあり、その恐怖演出には一切の容赦がありません。

特に、随所に織り込まれた過去作品へのオマージュや、底なしの絶望感を与える物語構造は、ホラーファンを唸らせる完成度でした。

bitotabi
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今回の記事では、本作の魅力と、深く張り巡らされた清水ホラーの世界観との繋がりを考察します。

ダニー
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ネタバレを含んでいるから、まだの人はご注意!

作品概要・あらすじ

本作は、元NMB48の渋谷凪咲が映画初主演を務め、夏休みの補習授業が行われている学校を舞台に繰り広げられる学園ホラーです。

臨時教師・君島ほのか(渋谷凪咲)が担当する補習クラスの生徒たちが、ある日を境に「いないはずの生徒」の存在に脅かされます。

それは、過去に学校で起こった忌まわしい出来事に端を発する「あのコ」の呪いでした。

学校という日常の空間が、徐々に異様な恐怖の場へと変貌していく様子が描かれます。

特殊メイクが創る生理的恐怖

本作でまず印象的なのは、強烈な特殊メイクです。

呪いに蝕まれていく人々、そして「あのコ」の姿は、Jホラー特有のネバついた、生理的な嫌悪感を誘う描写に満ちています。

役者陣が、目を背けたくなるような異形の姿を厭わず演じきっている点は見事というしかありません。

こうした視覚的なショックは、清水監督が長年培ってきた恐怖演出の真骨頂であり、観客を精神的に追い詰める重要な要素となっています。



UFOキャッチャーの斬新さ

ホラーシーンの中でも特に斬新で「お見事!」と感じたのが、UFOキャッチャーのシーンです。

ゲームセンターという日常的な場所にある機械の中で、非日常的な怪異が起こるというアイデアは秀逸でした。

親しみやすいモチーフと、その中で突如として現れる異様な動きとのコントラストが、強烈なインパクトを残します。

日常の隙間に潜む恐怖を描く、清水ホラーならではの独創的な演出が光っていました。

bitotabi
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この斬新さは見事でしたね。これまでにないアイデアが光る演出です。

超絶バッドエンド

そして、本作の結末は多くの観客が「超絶バッドエンド」と表現するでしょう。

物語は主人公の救済に向かうことなく、徹底して救いのない絶望的な展開で幕を閉じます。呪いの連鎖は断ち切られることなく、むしろ主人公自身がそのループに組み込まれてしまうことが示唆されます。

この容赦ない幕引きこそが、本作を単なる学園ホラーに終わらせず、ホラー映画としての完成度を高めている要因の一つと言えます。



『呪怨』との関連:張り巡らされたオマージュ

本作は、清水監督が2023年に公開した『ミンナのウタ』の続編であり、その恐怖の根源は、監督の代表作である『呪怨』の世界観に深く結びついています。

1. 「としお」の名前と世界観の継承

主人公の恋人・七尾悠馬が、実は過去の事件の被害者である高谷さなの弟「としお」が成長した姿だったという設定は、『呪怨』の「佐伯俊雄」を連想させます。

この名前をあえて使うことで、本作が『呪怨シリーズ』、ひいては清水ホラーの呪いの系譜に連なっていることを強く示唆しています。

2. 「反復」演出と呪いの連鎖

高谷家で両親が同じセリフを繰り返す演出は、『呪怨 白い老女』を彷彿とさせます。

呪いに囚われ、時間が歪んだような異常な状況を描写する、監督の得意とする表現技法です。

bitotabi
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呪怨シリーズの中の恐怖演出の中でも印象的で恐い「はーい、今ちょっと手が離せなくて、すぐ行きますから~」のシーンですね。

3. 「ロールケーキ」と「ぐるぐる」

主人公に差し出されるロールケーキの渦巻き状の形は、2010年代の『呪怨』新シリーズでテーマとなった「ぐるぐる」、すなわち呪いの螺旋状の連鎖や終わりなきループを暗示していると解釈できます。

今日の映学

最後までお読みいただきありがとうございます。

『あのコはだぁれ?』は、清水崇監督が自身の代名詞である『呪怨』シリーズの強烈なモチーフや恐怖の構造を現代の学園ホラーに落とし込み、昇華させた作品です。

怖がらせるだけでなく、過去作のオマージュやメタファーを巧みに用いることで、観客に深読みの余地を与え、「呪いの連鎖」という普遍的なテーマを再提示しています。

bitotabi
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『呪怨』を観たことがある方ほど、その演出の細部に張り巡らされた意図に気づき、より深く楽しめる作品です。

ダニー
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まだ呪怨シリーズを観たことが無い人は、ぜひこの記事もぜひ読んでみて!

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