マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の新たな一章を飾る『サンダーボルツ』は、政府の秘密工作のために集められた、いわば“ワケあり”のメンバーたちによる異色のアンチヒーローチームの活躍を描く作品です。

今回の記事では、『サンダーボルツ』をより楽しむための予習記事。
アベンジャーズに馴染みのない人は観た後にこの記事を読むと「そういうことだったのか」と理解しやすい内容となっております。
私はアベンジャーズシリーズ10本も観たことないので、大変でした。

ネタバレはないから安心してね!まずは作品概要から!
- 公開年: 2025年5月2日(全米公開予定)
- 監督: ジェイク・シュライアー
- 脚本: エリック・ピアソン
- メインキャスト:
- セバスチャン・スタン(バッキー・バーンズ / ウィンター・ソルジャー役)
- フローレンス・ピュー(エレーナ・ベロワ役)
- デヴィッド・ハーバー(アレクセイ・ショスタコフ / レッド・ガーディアン役)
- オルガ・キュリレンコ(アントニア・ドレイコフ / タスクマスター役)
- ワイアット・ラッセル(ジョン・ウォーカー / USエージェント役)
- ハナ・ジョン=カーメン(エイヴァ・スター / ゴースト役)
- ジュリア・ルイス=ドレイファス(ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーン役)
- スティーブン・ユァン(ロバート・レイノルズ / セントリー役)
ウィンター・ソルジャーことバッキー・バーンズを筆頭に、ブラック・ウィドウの妹であるエレーナ・ベロワ、元レッドルームのエージェントであるレッド・ガーディアン、驚異的な模倣能力を持つタスクマスター、元キャプテン・アメリカのジョン・ウォーカーことUSエージェント、そして量子的な不安定さを抱えるゴーストといった、それぞれが過去に大きな傷や葛藤を抱えるキャラクターたちが、ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーンの指示のもと、予測不可能なミッションに挑みます。彼らは、ヒーローとは言い難い、むしろ社会のはみ出し者たち。しかし、そんな彼らがチームとしてどのように機能し、何のために戦うのか、その行方に目が離せません。
「人間はやり直せる」というメッセージ
『サンダーボルツ』の根底には、「人間は過去を乗り越え、やり直せる」という力強いメッセージが込められているのではないでしょうか。
それぞれのメンバーは、暗い過去や犯した過ち、拭いきれない喪失感を抱えています。
洗脳された暗殺者であったバッキー、姉の死を乗り越えられないエレーナ、過去の栄光にしがみつくレッド・ガーディアン、操られてきたタスクマスター、過ちを犯したUSエージェント、存在が不安定なゴースト。
彼らは皆、過去の亡霊に囚われていると言えるでしょう。
しかし、チームとして活動する中で、彼らは互いの傷を理解し、支え合い、新たな目的を見出していくのではないでしょうか。彼らがどのように過去と向き合い、贖罪の道を見つけるのか、あるいは新たな過ちを犯してしまうのか。その過程を通して、観る者は「どんな人間にもやり直すチャンスはある」という希望や、「過去の傷を抱えながらも未来を切り開ける」という勇気を受け取ることができるかもしれません。
アニメ・映画作品との類似性:夢の多層構造と感情による力の暴走
『サンダーボルツ』は、以下の点で特定のアニメ・映画作品と構造的な類似性を持つ可能性があります。
- 夢と現実の多層構造『パプリカ』『インセプション』『ビューティフルドリーマー』: 他者の夢に入り込み、階層化された夢の中でミッションを遂行するという構造は、上記三作品と非常によく似ています。特に、深層心理やトラウマが物語に深く関わるという点で共通点が見出せるかもしれません。
- トラウマや強くなりたいという願望による力の暴走『アキラ』: 強大な力を手に入れた鉄雄が、自身の抱えるコンプレックスや承認欲求、そして抑えきれない感情によってその力を暴走させてしまう様は、登場人物たちが抱える不安定な感情や過去の傷が、彼らの能力に悪影響を及ぼす可能性を示唆していると言えるでしょう。感情の制御が物語の重要な鍵となるかもしれません。
赤いオッサン、レッド・ガーディアンの魅力
レッド・ガーディアンことアレクセイ・ショスタコフは、その見た目と裏腹なコミカルな言動、そして娘であるエレーナへの愛情が魅力的なキャラクターです。ソ連版キャプテン・アメリカという過去の栄光を誇張しながらも、どこか憎めない彼の存在は、重くなりがちなチームの雰囲気を和らげる清涼剤となるでしょう。彼の過去の武勇伝がどこまで真実なのかはさておき、その自信に満ちた態度と、時折見せる人間味あふれる一面は、観客の心を掴むはずです。特にエレーナとの親子の絆は、物語に深みを与える重要な要素となるでしょう。
それぞれの過去のおさらい
ここで、私のようにマーベルシリーズをよく知らない人に向けて、それぞれのキャラクターの関連作品をおさらいしておきます。
- ウィンター・ソルジャー (バッキー・バーンズ): キャプテン・アメリカの親友でありながら、洗脳され暗殺者として暗躍した悲劇的な過去を持つ。洗脳から解放された後も、その罪悪感と戦い続けている。(『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』、『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』、『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』など)
- エレーナ・ベロワ: レッドルームで訓練されたブラック・ウィドウの一人。姉ナターシャ・ロマノフと共にレッドルームを壊滅させる。(『ブラック・ウィドウ』)ナターシャの死を深く悲しんでいる。(『ホークアイ』)
- レッド・ガーディアン (アレクセイ・ショスタコフ): ソ連のキャプテン・アメリカとして活躍した過去を持つ。エレーナとは潜入任務で家族として過ごした。(『ブラック・ウィドウ』)
- タスクマスター (アントニア・ドレイコフ): あらゆる戦闘スキルをコピーできる能力を持つ。幼い頃の事故で瀕死の重傷を負い、父ドレイコフによって兵器として利用されてきた。(『ブラック・ウィドウ』)
- USエージェント (ジョン・ウォーカー): 政府によって新たなキャプテン・アメリカとして任命されたが、その粗暴な行動からその地位を剥奪された。その後、USエージェントとして再起を図る。(『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』)
- ゴースト (エイヴァ・スター): 量子実験の事故により、体の分子が不安定になり、物体をすり抜ける能力を持つ。その能力を利用され、秘密工作員として生きてきた。(『アントマン&ワスプ』)
この作品を観る前に観ておくとより楽しめる作品
『サンダーボルツ』をより深く楽しむためには、以下の作品を事前に観ておくことをお勧めします。時間がある人はぜひ!
- 『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』: バッキーの過去、洗脳、そしてキャプテン・アメリカとの関係性を知る上で重要。
- 『ブラック・ウィドウ』: エレーナとレッド・ガーディアン、タスクマスターの背景、そしてレッドルームについて理解できる。
- 『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』: バッキーの贖罪への道のり、そしてUSエージェントの登場と葛藤が描かれる。
- 『アントマン&ワスプ』: ゴーストの能力と悲しい過去について知ることができる。
- 『アベンジャーズ/エンドゲーム』: ナターシャの死がエレーナに与えた影響を理解する上で役立つ。
- 『ホークアイ』: エレーナがナターシャの死後、どのような状況にいるのかが描かれている。
これらの作品を観ておくことで、『サンダーボルツ』の各キャラクターの動機や人間関係、そして抱える傷をより深く理解し、物語をより一層楽しむことができるでしょう。
感想
最後に少しだけ私の感想を。
私はぶっちゃけ、マーベル作品があまり好きではありません。多過ぎるのと壮大過ぎる感じが苦手なんです。
でも、唯一好きなのが2017年以降の『スパイダーマン』シリーズです。
特に、シリーズの最後の作品『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』はかなり好きなんですよね。
どうしてかというと、スパイダーマンシリーズへの愛が深く感じられるのと、こういったヒーローものの勧善懲悪的な内容と少し違った、博愛的な物語に心を打たれたからなんです。
そこいくと、『サンダーボルツ』も結構いいんじゃないかと思うんですよね。
一度失敗した人間だって、良い人間としてやり直せるし、立ち直ることもより強くなることもできる。
そういった性善説的な、人間讃歌的な要素が多分に含まれているように感じたんです。
とはいえ、やっぱりマーベルに関心が薄い人には若干ハードルが高めではあります。それぞれのキャラクターのバックヤードをある程度知っている前提で物語が作られちゃってるので。これが嫌なんですよね。マーベルって笑
もう、いろんな俳優との利害関係とかが、ぐっちゃぐちゃになってるような気がします。そうなるともう、ストーリーを素直に受け取れないんですよ。
とはいえ、本作で言うとドル箱級の俳優はフローレンス・ピューくらいなので、一旦そこもリセットしようかとしているような気概も感じますね。
赤いオッサンが可愛いし、ドラマ的にもグッとくるものもある。久々にマーベルを観てみようか。そんなあなたにはそこそこオススメできる作品です。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます。
『サンダーボルツ』について予習すべき作品や、見どころを解説しました。

マーベルが不得意な私でも割と感動できたので、比較的観やすい作品だと思いますよ!

色々設定は複雑だけどね!ましな方!
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