ポストクレジットシーンの起源—エンドロールを「見せる」演出の進化と普及の背景—

映画

映画のエンドロールが終わった後、さらに数秒、あるいは数分の映像が流れる「ポストクレジットシーン」(または、おまけ映像、ステインガーなど)は、今や大作映画、特にシリーズ作品において欠かせない要素となっています。

この「おまけ」は、いつ、どのような目的で映画に登場し始め、どのようにして世界的な定番となったのでしょうか。

bitotabi
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その背景には、観客を席に留まらせるためのエンドロール自体の「演出の進化」がありました。

ダニー
ダニー

どんな進化だろ?

1. ポストクレジットシーンの初期の目的は「ユーモア」

ポストクレジットシーンのルーツは、現代のように「続編への伏線」ではなく、主に観客への「サービス」や「ユーモアの提供」を目的としたものでした。

その初期の画期的な例は、1970年代後半から1980年代のコメディ映画に見られます。

  • 『マペットの夢みるハリウッド』(1979年):
    • キャラクターがエンドロール後に再登場し、観客に向かって話しかけるという、メタフィクション的なユーモアを提供しました。これは、現代のポストクレジットシーンの最初期の例として知られています。
  • 『キャノンボール』(1981年):
    • エンドロール中に、撮影中のNGシーン(アウトテイク)を流す手法を採用し、観客を笑わせ、最後まで楽しませることに成功しました。



2. エンドロールを「見せる」演出の進化

エンドロールが長大化するにつれて、多くの観客が席を立ってしまう傾向がありました。そこで、映画製作者たちは、観客を最後まで惹きつけるために、エンドロールそのものに演出を施し始めました。

  • 楽しませるエンドロールの先駆者:『トイ・ストーリー』
    • ピクサーの『トイ・ストーリー』(1995年)に代表される作品では、本編のNG集風の映像や、ユーモラスな短編シーンがクレジットの間に挿入されました。これは、子どもたちを含めた観客が最後まで退屈せずに、楽しい気分で席を立てるように配慮された、画期的な試みでした。
  • スタントマンの危険を伝えるエンドロール:ジャッキー・チェン映画
    • ジャッキー・チェン氏の出演作品では、スタントの後に、実際に撮影された危険なアクションシーンのNGカットが流れるのがお馴染みです。これは、彼らが命懸けで撮影に挑んでいる事実を観客に伝え、その功績を称賛する意味合いを持つ、非常に力強いエンドロールの活用例と言えます。

3. ポストクレジットシーンの「ルール」を変えた作品群

ユーモアやサービス、そして演出によって観客が席に残る習慣が徐々に広がる中、ポストクレジットシーンはその役割を大きく変えていきます。

最も大きな影響を与えたのは、やはりマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)です。

  • 世界観を繋ぐ鍵へ:
    • 『アイアンマン』(2008年)以降のMCU作品は、エンドロールの後に、その作品の続編や、別のヒーロー作品への明確な「伏線」となる映像を流すことを徹底しました。
    • これにより、ポストクレジットシーンは「おまけ」から「観るべき必須のシーン」へと位置づけが変わり、エンドロール自体を最後まで鑑賞するという習慣が世界的な定番として定着しました。

今日の映学

最後までお読みいただきありがとうございます。

bitotabi
bitotabi

エンドロールとポストクレジットシーンは、互いに作用し合いながら、現代の映画体験を形作っていると言えるでしょう。

ダニー
ダニー

マーベル作品って、CG使いまくってるからスタッフ多そうだもんね。納得だよ。

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