恋愛を描いただけじゃない。
国威高揚のトップをきった、レジェンド映画。
そして、数多くの名ゼリフに心震える。
映画「カサブランカ」を鑑賞しました。
アカデミー賞作品賞を含む、3部門を受賞した作品です。
映画史に残る作品の一つで、白黒の1942年公開と、かなり古い映画です。
そのため、観るのに若干の抵抗やハードルの高さを感じてしまうかもしれませんね。
実際私もそうでした。今回が初鑑賞。
非常に楽しむことができました。
歴史的背景や、時代設定さえ掴めば、ほとんどの内容を理解しながら鑑賞できます。
また、映画ファンにはたまらないような、名ゼリフの数々もこの作品から生まれています。
どんなセリフだろ??
今回の記事では、「カサブランカ」で押さえておきたい時代背景と、名ゼリフなどの見どころを紹介します!
STORY
そこは自由を求める人々、最後の拠り所。運命が交差する場所。ナチスに追われるレジスタンスの指導者ラズロ(ポール・ヘンリード)は、カサブランカを経営するリック(ハンフリー・ボガート)を頼って店に現れる。リックはシニカルな性格のアメリカ人で、他人の面倒ごとには首を突っ込みたがらない。ましてや、ビクターの妻がかつて彼が愛してやまなかった女性イルザ(イングリッド・バーグマン)であるなら、なおのことだった。苦悩するイルザは、自らの身と引き換えにラズロを亡命させてくれるよう懇願する。愛する女性と多くの命への責任を背負い、重大な選択を迫られるリック - 運命の時は刻一刻と近づいていた…。
ワーナー公式サイトより引用
このあらすじ、めっちゃわかりやすいなぁ。
ポイントは1942年公開
この映画を理解する上で最も重要なのが、1942年に公開されているという点です。
冒頭でもお伝えしている通り、「カサブランカ」はアメリカ人への国威高揚映画です。
というのも、アメリカが第二次世界大戦に参戦することになったのが1941年で、今作はその翌年に公開されたのです。
ではどういった設定になっているのか、もう少し細かく分解してみましょう。
主人公リック
主人公リックは、アメリカ人です。
そう、彼こそが、この映画における、アメリカを象徴する存在なのです。
初めはシニカルで、ドライ。
人助けなどしない孤立主義な彼ですが、物語が進むにつれて、変化していきます。
ブルガリア人夫婦を助けたり、ドイツの軍人に歯向かったり。
最終的にはフランス人と共闘するということにまで発展します。
傍観を続けていた、アメリカが参戦することを示している訳であります。
リックの酒場
リックの酒場には様々な人種が集まっています。
バーテンはロシア人だし、ピアニストはアメリカの黒人。チェコ人やノルウェー人。ブルガリア人やイタリア人、フランス人、そしてドイツ人。アジア系の人もいます。
つまり世界中の人々が、アメリカに集まっていることを象徴しています。
また、ハリウッドも同様で、様々な俳優たちがアメリカへ避難してきており、「カサブランカ」へ出演している実情を表しているのです。
大急ぎで作られた
参戦が決まり、その指揮を高める狙いで作られた今作。
もちろん大急ぎで作られたのでしょう。
そのため、脚本家も7・8回変わったり、登場人物の身長のバランスがおかしかったりしています。
しかしながら、アカデミー賞を獲るほど、素晴らしい作品に仕上がるのだから、映画ってわかりませんよね。
名台詞の宝庫
「カサブランカ」には、一度は聴いたことのある名ゼリフがいっぱいです。
上述の通り、脚本家が何度も変わっていることも理由のひとつでしょうね。
そんな昔のことは忘れたよ
昨日はどこに?
そんな昔のことは覚えてない。
明日はどこへ?
そんな先のことは分からない。
“Where were you last night ?”
“That’s so long ago. I don’t remember.”
“Will I see you tonight ?”
“I never make plans that for ahead.”
男なら一度は真似したことがあるでしょう…笑
君の瞳に乾杯
君の瞳に乾杯
“Here’s looking at you, kid.”
直訳は、君を観られることが幸せだよ。みたいな意味ですが、名訳ですね!
映画の中で5回ほど言います。
ユージュアルサスぺクツ
犯人を捜せ。(捜せ、いつもの容疑者だ)
“Round up the usual suspects.”
名作「ユージュアルサスぺクツ」のタイトルにまで引用されている名台詞。
これが俺たちの美しい友情の始まりだ
これが俺たちの美しい友情の始まりだ
“Louis, I think this is the beginning of a beautiful friendship.”
これもいろんな映画で使われます。
有名なところでいうと「エクソシスト」のラストシーン。
フリードキンは「カサブランカ」の大ファンなので、どうしても使いたかったそうです。
曲にも注目
使用される曲についても、インプットしておくと、映画の内容をより理解できます!
ラ・マルセイエーズ
ラ・マルセイエーズは、フランスの国歌です。
映画の舞台であるカサブランカは、フランス領の町で、ドイツの侵攻から避難してきたフランスの人々が多く滞在していました。
そのため、リックの酒場でドイツ人の歌を止めるかたちで、ラ・マルセイエーズがリクエストされると、みんな喜んで歌った訳であります。
時の過ぎゆくままに(As Time Goes By)
こちらも劇中で何度も使用される曲です。
こちらは、元々1931年に公開された、ブロードウェイのミュージカル「Everybody’s Welcome」の楽曲になります。
リックは苦い思い出から、この曲を嫌っていますが、「Everybody’s Welcome」というミュージカルのタイトルがまた、リックのお店の雰囲気ともマッチしていますよね。
感想
最後に私の感想を。
国威高揚
当時は参戦しないアメリカへの不満が世界的にあったので、この戦争がんばろうぜって意味をこめて作られた今作。
しかしながら、戦争を励行するのはややプロパガンダ的な怖さがありますよね…。
このあたりは、当時の人々にしか理解しがたいものなのかもしれません。
観てよかった!
名ゼリフの数々や、意外とわかりやすいストーリーがよかったです!
映画史に残る名作の一つですので、思い切って観てみてよかった。
確か今作のキスシーンは「ニューシネマパラダイス」にも使用されていたはずなので、あのエンディングを観るのがとても楽しみです!
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
「カサブランカ」、白黒で戦争要素が強いので、なかなか抵抗があるかもしれませんが、映画好きにとっては非常におすすめです!
名ゼリフの数々だけでも一見の価値あり!!
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