映画の黎明期であるサイレント映画の時代から、犬たちはスクリーン上の俳優として、そして人間の良き相棒として、重要な役割を果たしてきました。
モノクロからカラーへと技術が進化しても、彼らが伝える感動やユーモアは変わりません。
今回の記事では、時代を超えて愛される名作の中から、犬の存在が物語の深みを増している5作品をご紹介します。

ほんと、犬って最高です。犬大好き。

ワンダフルな演技に注目だ!
1. 浮き雲 (1996年)
アキ・カウリスマキ監督による、失業した夫婦が新しい職と生活を見つけようと奮闘する姿を描いたヒューマンドラマです。主人公イロナとライカネン夫婦の側に、さりげなく寄り添う愛犬の役名はムスタです。

ムスタの存在が、厳しい現実の中でも失われない夫婦の静かな愛情を表現しています。特に、ラストシーンで、希望を見出し新たな道を歩み始めた二人に、ムスタもまたそっとついていく姿は、観客に温かい余韻を残します。

カウリスマキの作品にはよく犬が登場しますが、この作品は特にその存在が素晴らしいです。
2. アングスト/不安 (1983年)
刑務所を出所した殺人鬼K.が、郊外の一軒家に侵入し、一家を次々と惨殺していく様子を描いたオーストリアの異色カルト・ホラーです。本作に登場する飼い犬(本名はクバで、撮影監督の実際の愛犬でした)は、物語に異様な緊張感を与えます。

侵入した家で、殺人鬼K.と鉢合わせる一触即発の冒頭シーンが強烈です。また、K.が一家を拘束し殺害していく中で、この犬だけがなぜか生き残り、殺戮の現場をマイペースにうろつき回る姿が、主人公の異常性や、凄惨な状況の非現実性を際立たせています。

この子、ぽっちゃりしててめちゃくちゃ可愛いんですよ。この横っ腹の愛らしいこと。

3. 少年と犬 (1975年)
核戦争後の荒廃した世界で、テレパシーで会話ができる賢い犬「ブラッド」と共に、食料と女を探して旅をする少年ヴィックの姿を描いたカルトSF作品です。
犬の役名・本名ともにブラッド(本名:タイガー)です。

少年ヴィックと会話ができる犬ブラッドは、人間の理性や知恵を代弁する存在として、荒廃した世界で生きる術をヴィックに教えます。特に、ブラッドがヴィックを冷静に諭す場面や、地下の豊かな町に潜入したヴィックが幻滅して地上に戻る決意をする際、二人が再び合流するシーンは、彼らの固い相棒関係を印象付けます。

話せるという点が、他の作品とは一味違いますね。聡い犬です。
4. オズの魔法使い (1939年)
カンザスに住む少女ドロシーが竜巻で不思議な国オズに迷い込み、故郷に帰るため旅をするミュージカル・ファンタジーの不朽の名作。
ドロシーの愛犬として、終始行動を共にする犬の役名はトトで、本名はテリーといいます。

トトは、西の悪い魔女からドロシーを救うなど、ペットという枠を超え、ドロシーの勇気と希望の象徴のような存在です。特に、カンザスで意地悪なご近所さんに連れ去られそうになるも、ドロシーの元に必死で逃げ帰るシーンは、二人の強い絆を見せつけます。

犬俳優たちにとっては大先輩ですね。でも、次項はもっとすごい。
5. 犬の生活 (1918年)
喜劇王チャールズ・チャップリンによるサイレント映画の短編作品です。都会の貧困層の生活をユーモラスかつ人情味たっぷりに描きました。
貧乏ながらも懸命に生きるチャーリー(チャップリン)と、彼に寄り添う野良犬の役名はスクラップスで、本名はエディです。

スクラップスがチャーリーの唯一の友となり、警官から逃げる手助けをするなど、相棒として活躍します。スクラップスを抱きしめるチャーリーの姿は、当時の人々の孤独と、動物との触れ合いによる温かさを象徴しています。

今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます。
いかがでしたでしょうか。
これらの映画に登場する犬たちは、時代が異なっても変わらない忠誠心や友情を観客に示し、作品世界に深みを与えています。
スクリーンを彩ってきた彼らの姿は、今もなお多くの人々の心に残り続けています。
これらの名作を通じて、犬たちが映画史に残した大きな足跡を再確認してみてはいかがでしょうか。

いや~、犬って本当にいいものですね。

映画を観て癒されてみてね!
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