『仁義なき戦い 完結編』若者たちの血は止まず

アクション・パニック映画

つまらん連中が上に立ったから、下の者が血を流した

映画『仁義なき戦い 完結編』をNetflixで鑑賞しました。

『仁義なき戦い』『代理戦争』『頂上作戦』『広島死闘編』そして本作を含んだ5部作の完結編です。

bitotabi
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今回の記事では、『仁義なき戦い 完結編』の見どころや感想、作品をより楽しく味わうための解説をお届けします。

ダニー
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あらすじはこんな感じ!

あらすじ

広能組と打本会の連合と山守組との広島抗争は、警察による組長クラスの一斉検挙「頂上作戦」によって終息に向かいます。打本会は解散し、広能組長・広能昌三は網走刑務所に収監されます。その頃、山守組側では最高幹部・武田明が広島に散在するやくざ組織に大同団結を呼びかけ、1964年5月に政治結社「天政会」として統一組織を立ち上げます。

ところが、天政会は武田会長のヤクザ色を薄める運営に、副会長の大友勝利や幹事長の早川英男ら守旧派が反発し、一枚岩ではありませんでした。そんな中、広能の兄弟分の市岡輝吉が天政会参与・杉田佐吉を暗殺。報復を主張する大友と自重を厳命する武田との対立は深まります。

1966年6月、広島県警は天政会壊滅のため武田を検挙する方針を立てます。武田は逮捕直前に先手を打ち、自分の子分で天政会の理事長を務める松村保を次期会長候補に決め、武田不在時の会運営を託します。武田の逮捕で天政会は混乱しますが、松村は天政会理事の江田省一や各組の若手実力者の協力と豊富な資金力で危機を乗り切ろうとします。一方、大友はこの機に乗じて松村を殺害し天政会を牛耳ることを企てます。

松村の殺害は未遂に終わりますが、天政会の各組は松村を弱腰とみなし、大友や早川らの反松村派は増長します。大友は天政会の敵であるはずの市岡と義兄弟の盃を交わし、市岡は大友を後ろ盾として松村組の縄張りを荒らして松村を挑発します。ここに至って松村は市岡を殺害。反松村派は震撼し、大友は有力子分から離反された上、警察に逮捕されます。さらに松村は天政会傘下の全組長に盃直しを要求して自分の傘下に収め、不服の早川は引退します。こうして反松村派勢力は壊滅し、松村は天政会で強大な権力を得ます。

1970年6月、武田が出所すると松村は大人しく理事長に戻り、武田を会長とします。しかし、一度起きた松村への世代交代は2人の力関係を変化させており、3ヶ月後に出所する広能への対応を巡って対立が顕在化し始めます。そんな折、天政会重鎮の槙原政吉が広能組の組員に暗殺され、穏健な対応を主張する武田は孤立し、天政会では広能への強硬論が支配的になります。

9月、長期刑期を終え出所した広能に武田が面会を求めてきます。あくまで穏便に解決したい武田は、世代交代を説いて一緒に引退するよう求めます。その数日後、今度は松村が広能に面会を求め、武田が引退し自分を後継に指名した事を伝えます。そして、広島と呉の全ての組織が1つにまとまる意義を話し、広能組を天政会で厚遇することと引き換えに広能自身の引退を迫ります。広能は武田の引退に衝撃を受けますが、松村が天政会を纏めきれていない点を指摘し、対応を保留します。

同月、松村は会長就任の挨拶のため腹心と共に関西に赴きますが、その道中、反松村派の残党から襲撃され、瀕死の重傷を負います。反松村派は勢いづき、広能を自陣営に引き込むことを図ります。

松村は重体にもかかわらず、決死の覚悟で会長襲名披露を行います。そこに広能は若頭・氏家厚司を伴って現れ、松村に組員たちを託します。広能組の天政会への参加で、浮き上がった槙原組員は呉市街で広能組員を襲撃し、広能組員が死亡します。広能は自分が知らない若い世代の組員の死を見て新旧交代を悟り、長年のやくざ人生からの引退を決意します。

見どころ・解説

ぶっちゃけたところ、これまでの作品に比べると、本作はそこまで面白くありません。ですが、一連の抗争の物語の最後として、観ておいたほうがすっきりするかなと思います。

『仁義なき戦いシリーズ』は、すべて通して90分程度で終わってくれますしね。

ここまでのシリーズにおいて、唯一まともだった菅原文太演じる広能が、今回はやや暴走気味なんです。

今回の抗争については広能組にもかなり非があるんですが、

「シャバのもんは青信号でも信じられんワシじゃ まして人の心はのう」

というセリフを放ち、抗争待ったなしに突入する構えだったんです。

しかしながら、ここまでのシリーズの彼のキャラクターから推察するに、この発言すら、意図があったのかなという見方もできます。なんにせよ、実体験を基にした手記から作られた映画ですので、何とも言えません。

注目のシーンは、松方弘樹演じる市岡の撃たれっぷり。あの人は毎度毎度、撃たれるシーンの演技が上手い!でもこの5部作の中で、3人ものキャラクターを演じているので、記憶がこんがらがってしまいます笑 

いろんな役者が違う役を演じるのが特徴的なんですが、『仁義なき戦いシリーズ』において、もっともややこしいのが松方弘樹なのではないでしょうか。

本作では松方弘樹演じる市岡の他に、もう一人印象的なキャラクターが登場します。それは、宍戸錠演じる大友勝利です。

市岡と大友

この大友というキャラクターもまた、激しい人物で、制御が効かないんです。クリーンなヤクザを目指す天政会にとって、悩みの種、目の上のたん瘤のような。

大友勝利って、『死闘編』で千葉真一が演じていた役なんですよ。激しい性格は似てるんですが、ルックスが随分違うので初め分かりませんでした。なので、初登場じゃなくて、前からいたあの千葉真一が演じてたヤバイやつとして観ると、分かりやすくなってくると思います。

彼を始めとした、ろくでもない幹部が、私利私欲のため、自分のプライドのために、抗争を続け、若い衆を大勢犠牲にする。その切なさや虚しさをギュッと濃縮したのが本作ですね。

 



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本作の豆知識や、出てきた用語解説を少しだけお伝えしておきます。

【豆知識】

眼帯の理由:本作では菅原文太演じる広能が、眼帯を付けて登場します。何の説明もなく、ストーリーに直接関係はないんですが、これは当時の不衛生な環境を物語るために、山城新伍の提案で付けたという噂があります。でも、終盤には眼帯を外してるんですが、その時の菅原文太の目がうっすら赤いように見えるんですよね。ガチの疾患じゃないかなとも思えます。

キノコ雲:本作のポスターに描かれているキノコ雲は、広島ではなく長崎のものだそうです。

【用語解説】

シゴウする:さばいてやるぞ

ササラモサラにする:めちゃくちゃにする

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最後までお読みいただきありがとうございます。

ダニー
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映画『仁義なき戦い 完結編』について解説しました。

 

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