嘘が嘘を呼び嘘に呑まれる『テイラー・パーカーの歪んだ母性』

ドキュメント・ノンフィクション系映画

Netflixのドキュメンタリー映画『テイラー・パーカーの歪んだ母性』を鑑賞しました。

ドキュメンタリーながら、毎度想像を軽く超えてくるNetflixのドキュメンタリー。本作も同様。

いやはや恐ろしかった…。

bitotabi
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前半はネタバレなしの解説を、後半はネタバレありで鑑賞後の視座を広げる情報をお届けします。

ダニー
ダニー

まずは作品概要からね!

作品概要

2026年に製作された作品です。監督はジェシカ・ディモック。2020年にテイラー・パーカーという女性が起こした凄惨な事件とそれに至る経緯を追ったドキュメンタリー。

あらすじはざっくりこんな感じ。

2020年9月テキサス州でへその緒がついたままの生まれたばかりの赤ん坊を膝に乗せて高速で運転する女性が警察に止められ、病院へと運ばれた。

彼女には妊娠、出産の形跡がない。しかし彼女は自分が今朝産んだという。

一体誰の子どもで、どういう経緯でこうなったのか。彼女の人となりやこれまでを探っていくドキュメンタリーです。

bitotabi
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ここから先はネタバレを含んだ解説になります!



ネタバレあり解説

本作では、テイラー・パーカーという女性が妊婦を殺害し、その身体を何度も刺し、お腹から胎児を取り出してどちらも死亡させ、最終的にテキサス州で7人目の死刑者になるという悍ましい事件に至る経緯を描いています。

彼女にはウェイドという恋人がいました。テイラーは明るい性格で、初めは周囲も2人の交際についてよく思っていました。

テイラーが言うには、彼女の祖父母は大金持ちで、いずれ遺産を継ぐことになるのだとか。しかし、母親との仲はかなり悪い様子。

一方でウェイドは労働者階級。同棲を始めるも、テイラーが持ってきた荷物はやけに少ない。

不釣り合いなのではないか、荷物の少なさや母親との不仲がなんだか不穏…。徐々に周囲は彼女を怪訝に思い出します。

遺産の相続が確定したとテイラーから告げられ、彼らは遺産をあてにして散財するも、買ったものに対する差し押さえが。支払いが滞っていたからです。

そんな中、ある日テイラーは妊娠したとウェイドに告げる。

で、ここから本格的に怖い事件になっていきます。

妊娠したというのはまったくの嘘で、彼女は一度出産した際にもう妊娠できないように自ら望んで手術をしたのだということが昔の友人の証言で明らかになります。だから妊娠できるはずがないんですね。

でも、新しい友人や恋人、その家族はそのことを知らない。結局徐々にバレていくんですが。

その嘘をつき通すために、彼女は架空の弁護士や医者、叔父などを自作自演し、妊婦用のエコー写真やシリコン製の妊婦に見せかけるための商品なども身につけます。

もう、とんでもない数の嘘をつき、果てにはその帳尻を合わせるために知り合いの妊婦を殺害し、胎児を奪おうとしたというわけです。

ダニー
ダニー

恐ろしすぎる…。

bitotabi
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ではここから、どうしてここまで嘘をつき続けてしまったのか、考えてみたいと思います。

テイラーの場合、承認欲求を得るための行動という域を優に超えています。

精神的な病であると言えるでしょう。少し分析してみますが、私は医学的な知識はありませんので、あくまで推察になりますのでご参考程度にお読みください。

空想虚言症というものがあるそうで、自覚的でありながら無意識のうちに嘘をつき続け、本人もどこかでその嘘を現実として受け入れ始めてしまう状態に陥る精神的な病気です。明確な金銭的利害などの実利目的がなくても「自分を特別な存在に見せたい」「ドラマチックなストーリーの中にいたい」という強い内的衝動によって嘘を重ねます。問い詰められても嘘を覆い隠すためにさらに壮大な嘘を重ね、収集がつかなくなるのが特徴。

境界性パーソナリティ障害(BPD)などのパーソナリティ障害の「見捨てられることへの強い不安」や「極端に不安定な自我像」が背景にある場合、その不安や孤独を埋めたり自分を守ったりするために虚言のスパイラルに陥ることがあります。周囲を引きつけるための大げさな話や、被害者を演じるような嘘がエスカレートしやすいというもの。

演技性パーソナリティ障害の常に他者の関心の中心にいないと気が済まず、感情表現が過剰で、関心を引き続けるために話の誇張や事実と異なるエピソードを作り出し続けるケース。

これらを複合的に抱えているのでしょうね。

また、古い友人の証言によって、かつて彼女がずっと病気がちで、入退院を繰り返していることをSNS上に頻繁にアップしていたことも分かります。これもミュンヒハウゼン症候群の傾向がみえますね。

もうきっと、彼女の場合、嘘をつきすぎて何が本当で次に何をするのが正しいか、事実と虚言による空想の境界線が曖昧になってしまったんだと思います。

私は言霊というのは割とあるものだと思うんです。迷信的なことではなく、声に出すと、耳が情報をキャッチして脳もそれなりに騙されるというか、記憶に残る程度のことはあると思うんですよ。

昔の記憶とか小さい出来事が、本当にあったことか、それとも声に出しただけか、分かんなくなることってそれなりにあるじゃないですか。

彼女はその機会があまりにも多すぎた。本当に脳内がぐちゃぐちゃになってたんだと思います。

この映画の教訓として、自分の身の程をわきまえて嘘はつかない。これに尽きるんじゃないかと思います。

今日の映学

最後までお読みいただきありがとうございます。

『テイラー・パーカーの歪んだ母性』について解説しました。

bitotabi
bitotabi

Netflixのドキュメンタリーは、本当にすごい。面白がって観るようなものではないとは分かってるんですが、それでもやっぱり映像作品として優れていることは間違いないし、知ってたいなとも思います。

ダニー
ダニー

映画でも描けないような怖いことやびっくりすることがいっぱいあるんだって思うよね。
いくつかオススメのNetflixドキュメンタリーをはっておくよ!

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