『真相をお話します』の劇場版をAmazon Prime Videoで鑑賞しました。
結城真一郎氏による累計発行部数100万部超えの大ヒットミステリー小説の映画化。
日常の隙間に潜む違和感が、取り返しのつかない「真相」へと変貌していく快感を味わえる一作です。
現代ならではのツールや社会問題を背景に、私たちが目を逸らしている「隣人の素顔」を容赦なく暴き立てる本作の魅力について、詳しくご紹介します。

ぶっちゃけ物足りなさもありましたが、一方で考えさせられる面もありました。忖度抜きでお伝えしていきます。

ネタバレがあるから注意してね!ぜひ鑑賞後に!
作品概要
本作は、大きく分けて4つのエピソードから成るオムニバス形式を採用しています。しかし、単なる短編集ではなく、作品全体を包み込む「額縁構造」が大きな特徴です。
各エピソードでは、現代社会のリアルな断面が描かれます。
- 惨者面談:特殊詐欺の温床を背景とした、家庭教師の営業マンによる不穏な面談。
- ヤリモク:マッチングアプリに潜む欲望と、予想外の結末。
- 三角奸計:友人同士の裏切りと復讐。
- ふるはうす☆デイズ:子供の日常を配信する、歪んだ親の愛。
これら独立したように見える物語が、やがて一つの大きな「真相」へと収束していく構成になっています。
感想と解説(以下ネタバレあり)
本作を観て強く感じるのは、現代社会における「情報の扱われ方」の恐ろしさです。
「ふるはうす☆デイズ」では、親が子供を隠し撮りし、キッズユーチューバーとして収益を得ようとする姿が描かれます。
こうした問題や、プライバシーを切り売りして稼ぐ社会問題にメスを入れる視点は非常に鋭いと感じました。
しかし、SNS時代に生きる現代の観客からすれば、この程度の展開は「もはや予想の範囲内」であり、ミステリーとしての驚きは控えめだったかもしれません。
マッチングアプリを題材にした「ヤリモク」についても、同様のことが言えます。
しかし、本作の真の価値は、その先のラストに集約されています。
物語の終盤で突きつけられるのは、「自分の個人情報をすべて晒すか、あるいは目の前の殺しを見過ごすか」という、究極の二択です。
これまでの各エピソードで描かれてきた「情報の脆さ」や「承認欲求」が、この凄惨な問題提起へと繋がっていく流れは見事でした。SNSでの誹謗中傷や個人特定が日常茶飯事となった今、この選択を迫られたときに私たちは正義を貫けるのか。その問いが胸に深く突き刺さります。

ネット情の他人の死か、それとも自身の安全か。これは結構深いです。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます。
映画『真相をお話します』は、日常的な風景を、一瞬にして悪夢へと塗り替えてしまう力を持った作品でした。
オムニバス形式の軽快なテンポで進みながらも、最後に残るのは、現代社会の闇を覗き込んだような重苦しくも興味深い余韻です。

ゾクッとする話だよね…。

あなたがもし、あの極限の選択を迫られたらどう答えるでしょうか。
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