映画の評価や、公開前の評判でよく使用される、「ロッテントマト〇%フレッシュ獲得!」の文字。

私もこれまでブログ内で何度か使用してきましたが、実際のところその算定方法や、ロッテントマトがどういう存在であるのかは今一つ知りませんでした。

先日、英語圏の友人と映画について話している時、
「ロッテントマトのスコアも高いから気になる作品だよね」と言うと、
「そういう評価は誰かが操作している可能性もあるよな」と言われました。

えぇ~ロッテントマトでもありえるのかな?

そこで、今回はロッテントマトの評価を信用してよいものかどうかを探るためにも、ロッテントマトについて掘り下げていきます。
ロッテントマトとは
ロッテントマトは、アメリカ合衆国を拠点とする映画・テレビ番組のレビュー集積(アグリゲーター)サイトです。
1998年に設立され、現在では英語圏で最も著名な映画レビュー集サイトの一つとして知られています。
- 名前の由来: 「Rotten Tomatoes(腐ったトマト)」という名称は、かつて舞台の演技がひどいとき、観客が役者に向かって腐った野菜や果物を投げつけたという古い慣習に由来しています。
- 主な機能: 全米の様々な映画評論家や批評家団体によって承認された執筆者によるレビューを集め、その内容を肯定的なもの(Fresh)と否定的なもの(Rotten)に分類し、映画ごとに集計して表示します。
- 二つの主要な評価指標:
- トマトメーター (Tomatometer): 公認批評家によるレビューを集計したスコアです。
- オーディエンススコア (Audience Score): サイトの一般ユーザーによる評価を集計したスコアです。
⚖️ 評価の算定ルール(トマトメーター)
ロッテントマトの根幹となる「トマトメーター」は、映画の面白さの平均点を示すものではなく、肯定的なレビューの割合を示す独自の指標です。

1. 肯定/否定の二極分類
- 公認批評家による各レビューを、サイトのスタッフが「肯定(Fresh)」か「否定(Rotten)」のどちらかに分類します。
- 例えば、10点満点で6点以上、あるいは5段階評価で3.5以上など、一定の基準以上の評価であれば「Fresh」と見なされます。
- この分類に基づき、肯定的なレビューが全体の何パーセントを占めるかを計算したものが「トマトメーター」のスコアとなります。
💡 計算例: 批評家20人中、15人が「Fresh」、5人が「Rotten」と評価した場合、トマトメーターは 15 ÷ 20 × 100 = 75% となります。
2. 認定アイコンの基準
スコアに応じて、以下の3種類のアイコンが付与されます。




Certified Freshの主な条件:
- トマトメーターが75%以上であること。
- レビュー数が一定数(一般公開作品は80件、限定公開作品は40件など)以上あること。
- 特に重要な「トップ批評家」からのレビューが5件以上含まれていること。

やや複雑ですが、実際にサイトを観にいくとよく分かると思います。メジャー度の低い、サブスク限定配信のアニメ映画とかは、トップ批評家の評価がないから100%でも認定フレッシュではないという感じですね。
信用度と注意点
ロッテントマトの評価は、映画の興行成績や話題性に大きな影響を与えますが、その信用度については議論の余地があります。
肯定的な面
- 批評の可視化: 膨大な数の批評家の意見を一目で確認できるため、映画の全体的な評価傾向を掴みやすい点が大きな利点です。
- 興行との関連性: 過去の調査では、一般的にトマトメーターのスコアが高いほど、興行成績も伸びる傾向があるという結果も出ています。
注意が必要な点
- 二極分類による情報圧縮: レビューの内容の深さや点数の振れ幅(例えば「まあまあ良い」のか「傑作だ」なのか)に関わらず、すべてを「Fresh」か「Rotten」に単純化するため、評価のニュアンスが伝わりにくいという問題があります。並の評価も高い評価も等しく「Fresh」としてカウントされ、スコアを押し上げることがあります。
- スコアの操作疑惑: 過去には、宣伝会社が金銭を支払って批評家に肯定的なレビューを書かせたという疑惑が浮上したこともあり、スコアの公平性に疑問が投げかけられることもあります。
- 一般評価との乖離: 批評家による「トマトメーター」と、一般観客による「オーディエンススコア」が大きく異なる作品も多く存在します。これは、批評家と一般観客の評価基準や嗜好が異なるためであり、どちらを重視するかは観客次第です。

ちなみに、ロッテントマトはインスタの公式アカウントも運営しています。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます。
結論として、ロッテントマトのスコアは「その映画に肯定的な批評家がどれだけいたか」の指標として捉え、実際の映画選びの際には、具体的なレビューの内容やオーディエンススコアも合わせて参考にすることが重要です。

そもそも、映画好きばかりが評価しているということも考慮した方がいいですね。あるていど映画の見分がある人目線と、そうでない人とでは見え方や監督、アクターへの思い入れのようなものも大きく変わってくると思うので。

結局は自分の目や耳で確かめるしかないってことか。
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