「近畿地方のある場所について」を鑑賞してきました。
今回の記事は、鑑賞してきた方に向けて、ネタバレありの解説記事になります。

まだ観てない人は、ご注意ください。

観て気になったことがある人は、ぜひ最後まで読んでみてね!
あらすじ
おさらいとして、まずはじめにあらすじを。
オカルト雑誌の編集者である小沢悠生は、行方不明になった先輩が直前まで調べていたという、心霊現象や未解決事件の真相を追うことに。同じく先輩の行方を捜すオカルトライターの瀬野千紘と共に、それらの謎がすべて「近畿地方のある場所」に繋がっていることに気づく。真相を確かめるため、二人はその場所へ向かうが、それは決して見つけてはならない禁断の場所だった。
考察1 すべては仕組まれていたのか
結末として、千紘が小沢を石の元へと、生贄として導いていたということが判明しましたね。

失踪した編集長もまた、「今度は小沢か」と発言していました。
編集長を生贄にすることに失敗した千紘が、今度は小沢を狙った。そういう発言であると解釈できます。
千紘の目的は、かつて亡くした我が子を「ましろさま」の力でもって復活させようというものだったわけです。
これらのことから解釈できるのが、映像や記事は、そのほとんどが千紘のコントロール下にあったのではないかという結論です。
オカルトライターならば、あれらの情報の連続性に興味を持たないはずはなく、小沢は千紘の手によって誘導されてしまった。
ここで考えたいのが、あれらの記事が「捏造」か「本物」かというものです。
考察2 情報は本物?
個人的に、あれらの情報は千紘によって捏造されたものも一部あるかと思われますが、そのほとんどは本物だったのではないかと思うんです。

千紘の執念深さ、我が子を蘇らせたいという思いはとてつもなく強く、かなり長い時間をかけて計画されたのではないかと思うんですね。
私がそう考える要因が、バイカーのツーリング映像。
投稿者の声の中に「バイク仲間におすすめされた」というセリフがあったのを覚えているでしょうか。
あのバイク仲間というのは、千紘で間違いないと思います。千紘の自室には、バイクの写真がたくさんありましたからね。
あとは、持ち前のオカルトに関する知識を活用し、いかにすればこの噂が広まるのかを計算しつつ、各メディアに伝播させていったのでしょう。
ニコニコの動画も、彼女が情報提供し、加えて扇動する、煽るようなコメントをしたのではないかと推測できます。
あと、「ましろさま」の昔話のアニメについては、捏造かもなと。彼女は絵本を所持していましたが、ああいうのが絵本からアニメ化するというのは、あまり無いケースですよね。最後の動画があれってのも、なんとなくその要因の一つなんじゃないかと思うんです。
他にもきっと、千紘が小沢を誘導するためのフェイク情報はあると思うんですよね。もう一度見返せば、その年代に存在しなかったものとかが、映ってるという遊びがあるんじゃないかと。

もう一度鑑賞しなくては。
考察3 ストーリーまとめ
本作に登場した怪異について、まとめておこうと思います。
大本は最後に登場した「ましろさま」ですね。すべての呪いの現況です。
そして「ましろさま」の呪いの力を得るためのデバイスと言える「石」。
その石となんらかの方法で出会ってしまったのが「赤い服の母親」で、
「赤い服の母親」が「ましろさま」の力を借りて蘇らせたのが「頭と首が後ろに垂れ下がった男の子」です。
「赤い服の母親」は、呪いによってほとんど霊のようなものになってしまったものの、まだこの世に存在するものなわけです。
「ましろさま」の呪いから発生した中で、比較的新しい存在であるこの「母親」と「子ども」が、呪いを拡散するようなものに成ってしまったというわけですね。
で、色々辿ってこの2つのいずれかに接触したものもまた、呪いを広げる存在と成ってしまう。
「見つけてくれてありがとう」は、ましろさまの言葉です。ましろさまの呪いを広げる装置に成り下がっったんですね〜。
千紘や「赤い母親」は引用リツイート、小沢や編集長はリツイートって感じでしょうか。
「ましろさま」は「母親」と「息子」という関係、さらに死別したものと特に共鳴してしまうので、この2人と特に強く結びついてしまったのでしょう。
絵本やアニメの「ましろさま」のストーリーによると、新しい嫁を探すというのがましろさまの根っこにある部分なので、千紘のように目的があるわけではなく、シンプルに女性が「見つけてくれてありがとう」状態に成った場合どうなるのかが非常に気になります。
ここが、本作の残した謎、しこり、しがみがいのある余韻なのではないでしょうか。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます。
「近畿地方のある場所について」の解説、考察をお届けしました。

どこまでが千紘のコントロール下にあったのか、呪いの軌跡はどういったものだったのか、この辺りを考えながら観ると、より一層面白さが増しますね。

この記事を、見つけてくれてありがとう。
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